ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 39
翌朝。
食堂への一番乗りは、ドワーフのガロンだった。
「ワシが一番乗りじゃな。まあ、予想通りじゃ」
涼しい顔でお茶を飲んでいる。
ガロンは……ツヤツヤだった。一体、なにがあったのだろう。
続いて、魔術師バルナスと神官ジュールが……手を繋ぎながら登場した。
2人とも、ツヤツヤのキラキラである。
「お二人さん、昨夜はお楽しみじゃったかの?」
ガロンが鉄板ネタでからかう。
「秘密、ですよ」
バルナスが、顔の前で右手人差し指を振ってみせた。
最後に登場したのは……戦士レイブンと神官戦士ドラナと、性悪猫リリスだった。
レイブンの左腕にドラナがしなだれかかり、レイブンの右腕には、リリスが抱えられていた。
ちなみに、レイブンとドラナも……つやつやだった。
昨夜の熱戦が、偲ばれる。
レイブンの腕に抱えられたリリスは……つやっつやで、テッカテカだった。
見た目は、つやっつやで、テッカテカだったリリスだが……。
「おなか……すいた……」
リリスの声は……枯れ果てていた。
「たくさん食べて、元気になりなよ……」
ドラナは、愛おしそうにリリスの頭を撫でた。昨日まで、あたしが本妻だって吠えていた女性と、本当に同一人物であろうか。
「ドラナ。食べさせて?」
リリスの紫色の瞳は、熱っぽく揺れていた。妖艶……という言葉すら、なまぬるい。
「ドラナ。だっこ……。レイブン、固い……」
リリスが、ドラナに向かって手を伸ばした。ドラナは……慈愛の笑みを浮かべながら、レイブンからリリスを受け取った。
いったい、なにがあった?!
この姿を見せられたパーティーメンバーは、黙って目を逸らしたという。
戦神神殿は、今日も生命力に満ち溢れていた。




