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ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 37

《待って! 待って! 待って!》

 ジュールの心のなかに、清らかな声が聞こえた。大地母神(ニスシャ)の声である。大地母神(ニスシャ)は、思い切り焦っていた。


《フルパワーの気合弾の魔法(フォース)、2発同時に撃ったら、この子死んじゃう!!》



“こいつは、敵です! 敵に、容赦は……しません!!”

 ジュールの眼は、氷のように冷たかった。


《それは、そう! でも、殺すことはない。殺さなくても、叩きのめせば自衛はできる。わかる?》


“理解は……しますが、感情が、付いていきません……”


《だから、片手に1/4ずつ。これなら、死なない。だけど……とても痛い》


“大地母神(ニスシャ)様の、仰せのままに”


 かくして、史上初の、片手に1/4ずつ気合弾の魔法(フォース)が……爆誕した。




「あら?」

 ジュールの視界から、敵が消えていた。視線を彷徨わせると、足元に土下座しているのを見つけた。


「………………」

 ジュールの頭が、急速に冷めていく。同時に、両手に準備した気合弾の魔法(フォース)が霧散していく。


「汚いです。さっさと消えなさい」

「は、はいぃー」

 ジュールの言葉を受け、男の子が逃げ出した。取り巻きが慌ててついていく。


「皆様……」

 ジュールが頭を下げた。

「お見苦しいものを……お見せしました」


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