ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 36
男の子は、大きく息を吸うと……。
「ジュールちゃん、綺麗でカワイイ! だから、オレと……結婚して!!」
プロポーズした。
「お断りします」
ジュールは間髪入れずに断った。
「!!!」
男の子は唖然としていた。
「な、なんで?!」
「私は、バルナス様の……ものです。貴方と結婚は、できません」
ジュールは、さすがに照れていた。バルナスは満面の笑みで、男の子を見遣った。
「バルナス? 隣の青びょうたんだな?! お前をやっつけてやる! そうすれば、ジュールちゃんは、オレのものだっ!!」
「そんなことは……」
次の瞬間。空気が凍った。ジュールが両拳に気合弾の魔法を準備したのだ。
「させませんよ?」
ジュールは、ゆっくりと拳の位置を動かす。右拳が、男の子の心臓の前。左拳が、男の子の眉間。
「あ……」
ジュールの眼を見た男の子のズボンが濡れる。あまりの恐怖に、失禁してしまったのだ。
次の瞬間……。
「ご、ごめんなさいっ!」
座り込み、頭を地面につけていた。いわゆる、土下座である。
少しだけ、時間はさかのぼる。
「バルナス? 隣の青びょうたんだな?! お前をやっつけてやる! そうすれば、ジュールちゃんは、オレのものだっ!!」
この言葉を聞いた瞬間、ジュールが切れた。
“大地母神様! 御力をお貸しください!!”
普段のジュールからは、考えられないほど強い感情である。
“私の両拳に、気合弾の魔法、2発分の御力をお貸しください!!”
“それぞれの手に、1発分です!!”




