ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 33
リリスの頭が、ガシッと掴まれた。レイブンである。
「リリス」
レイブンは、リリスの目を正面から見据えた。
「手持ちの武器に拘りすぎると、死ぬぞ」
「そ、そうだね……」
リリスの表情が……少しだけ崩れた。
“あれ? もしかして……あたし、死んだ?”
「奥の手と隠し武器は、あればあるだけ役にたつからな。覚えておけよー」
レイブンは、あくまでフラットだった。
“???”
リリスは混乱している。
“さすがの性悪猫も、レイブン相手だと……分が悪いみたいだね”
バルナスは、エールを飲みながら思っていた。
「バルナス様?」
ジュールがバルナスを見た。
「リリス。色々と気づけると……いいけどね……」
「………………難しいと、思います……」
2人の内心は、綺麗に揃っていた。
“レイブン、裏が……全く無いんだよ……”
“なんだかワケ分かんないんだけど……。これなら?”
リリスは、レイブンの腰に抱きついた。そのまま上目遣いで、特大の爆弾を投げ込んだ。
「レイブン! 強くてカッコイイから、大好き!!」
「ありがとな!」
「大きくなったら、あたしと結婚してねっ!!」
瞳に星なんかを飛ばしてみた。
レイブンは椅子から下りると、膝をついた。リリスと視線を合わせる。
「いいぜ!」
続く言葉は、とてもレイブンらしかった。
「お前が大きくなるまで、オレが生きてたらな!」




