ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 30
「レイブン、酔うと……たちが悪くなるよね……」
魔術師バルナスは、呆れた様子でエールに口をつけた。
“レイブン、本能のままで生きてるからな……”
「無意識の褒め殺しに……ボディタッチが追加ですから……」
神官のジュールは、苦笑していた。
“レイブン様……お部屋まで……我慢できるのでしょうか……”
「特に、ドラナみたいなタイプには……効くからの……」
ドワーフのガロンは、楽しそうだった。
“ここで、始めるなよ……”
レイブンがドラナのオデコにキスを落とした。
「ドラナ、カワイイぞ」
「!!!」
ドラナは、完全に固まっている。
そんな甘々な2人に……。
「おかわり、どうぞ!」
高い声がかかった。小さな女の子が、料理を運んできたのだ。
「お、ありがと」
レイブンは、ドラナを解放した。
「!?」
ドラナは、残念そうな顔をしていた。
そんなドラナを、紫色の瞳が一瞥した。
「ドラナ。真っ赤。熱でもあるの?」
彼女の名前は、リリス。戦神神殿の孤児院に保護されている10歳の子供である。
身長:130cm。体重:29kg。同年代の平均より少し小柄で、華奢な体格だ。
肌の色は白色で、艶のある漆黒の髪色をしている。
髪形はくせ毛のショートヘアで、額をきれいに見せるセンター分けにしている。どうやら、毎朝自分でセットしているらしい。
少し吊り上がった、鋭く知的なキャットアイが、勝ち気な性格を表していた。
瞳の色は、毒を秘めたアメジスト(紫)。年齢にそぐわない妙な色気と、危険な雰囲気を醸し出している。
「ね、熱など無い! あたしは、極めて健康だっ!」
ドラナの回答は、どこかピントがずれていた。動揺が収まっていないらしい。
「あら。ごめんなさい」
リリスは、ニヤーっと笑った。
「馬鹿は、風邪ひかないって……言うものねー」
「てめー! この腹黒!!」
ドラナは、けっこう本気で威嚇していた。リリスは、サラッと受け流している。




