ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 26
「《これは、八つ当たりである!! お前らに恨みは無い!!》」
「ぶははは……」
レイブンが、腹を抱えて笑った。
「戦神様……ひどすぎる……」
「ですね……」
バルナスとジュールは、苦笑を浮かべていた。
「戦神様たちの活躍により、引き撃ちは大成功に終わった。レムリカ渓谷での戦いは、光の神様達の勝利で幕を閉じたんだ」
「うんうん」
「ここで、至高神様が怒鳴り込んできたらしい」
「やっぱりきたかあ!!」
「《戦神!! 不文律を無視するとは、何事だ!! 卑怯では無いか!!》」
「至高神様なら、そう言うよな」
「戦神様は……」
「《不文律? どこにも明文化されていないルールなど、無いのと同じである!!》」
「開き直った?! 戦神様、男前すぎるっ!!」
「普通なら、このまま至高神様のお説教が始まるところなんだが……」
ドラナはニヤーっと笑った。
「知識の神様と、商売の女神様が……」
「このお二人かよ!!」
「戦神様の援護に入ったらしい」
「最悪じゃないか!!」
「ああ。最悪だ……」
なんて言いながら、ドラナは嬉しそうである。
「さすがの至高神様も、口ではこのお二人に勝てないからな。そそくさと、逃げ出したらしい」
「至高神様、ちっちゃ! ちっちゃいぞ!」
レイブン、大興奮。さっきから、カパカパとエールを飲み干している。
いつの間にやら、足元にエールの樽が運ばれてきていたのだ。




