ある神官の成長日誌 〜ジュール編・そのに〜 14
二匹の肉食獣が去った後の中庭には、熱戦の熱気が色濃く残っていた。
「関節技シフトは、そのまま!!」
「了解だっ!!」
「バケツ班! 配置につけー!!」
「おおーっ!!」
数人の神官がバケツを持って井戸に走った。井戸から汲んだ水でバケツを満たし、中庭の外周に並べる。
「バケツ班、準備できたぞ!!」
バケツ班とは……。模擬戦で熱くなりすぎた場合に、バケツの水を叩きつけて強制冷却する役割の班である。バケツの水ぐらいでは、模擬戦は止まらないのだが、頭は確実に冷えるのだ。
「鍛練再開ー!! 即死するなよっ!!」
「おおーっ」
中庭のあちこちで、熱戦が繰り広げられていた。
普段より、気合の入った表情で剣を打ち合っていたり……。
普段は、事故(※)の発生を嫌って避けられている、男女の打ち合いが多発していたり……。
※レイブンとドラナのバトルのように、バトル後に事故……が発生することがある。
普段は、中庭の端で同性同士で鍛練している孤児院の子供たちが、男女で打ち合いをしていたり……。(体格差の関係で、子供のうちは女の子の方が強い)
普段は、観戦に出てこない、食堂のおばちゃんたちが、観戦しにきていたり……。(半数強が、元神官、残りは一般人だが、重い鍋やフライパンを扱う体力がある)
神殿中の人間が、色々と……あてられていた。
数時間後……。
神殿内のあちこちで、全ての男性が……真っ白に燃え尽きていた。(小さな男の子も、含めて……である)
反対に、女性陣は……つやっつやっだった。(食堂のおばちゃんも、小さな女の子も、含めて……である)
実に……戦神神殿らしい。




