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マゾ・カード  作者: みぎゃー


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9/14

#9.帝羅の敗北

マゾ・カードショップでのイベントによるトーナメント戦、

決勝での対戦相手はリーゼントの『一物小(いつもつ・しょう』。

イチモツは『鉄バットチンポ隆一』というマゾカードを使役し、

対戦相手を血まみれにしてしまっていた。


琴音が心配そうに様子を伺った。


「コレ、生きてるの?全く息してないんだけど…」


すると、イチモツは堂々と言った。


「いや、死んだんじゃねぇかな?

 だけどオレは責任持たねぇぜ。

 大体、鉄バットみたいなチンポに殴り殺されましたなんて

 誰が信じる?なぁ、店長?」


見ると店長も怯えているようだった。


「あ、あぁ…。さすがに警察も信じねぇよな…。」


「そ。つまり、自殺って事で処理されるワケさ。ハッハッハ。」


凛がその態度に不快感を示した。


「そんな、ヒド過ぎます…。帝羅さん、やっちゃって下さい!」


しかし帝羅も少し引き気味であった。

常軌を逸したイチモツの狂気染みた思考もさることながら、

そのあまりに圧倒的な強さによる結果を目の前にして、

自身のマゾカードである自慰けいすけが無事に戦えるか、

それだけに意識が向いていた。


「あの、お願いだからマゾカードを殺さないで頂戴。

 さすがに105億で買ったカードが殺されたら、

 私立ち直れないわ…。」


「へぇ、105億って事はこのショップの最高額のアレか。

 良いじゃねーか、いっぺん殺してみたかったんだよ、アレ。

 オラ、行け!鉄バットチンポ隆一!!」


そう言うとイチモツは自身のマゾカードに攻撃を指示した。

すぐに凛がステータスを確認する。


「攻撃15000耐久23000服従4800。そんな…。

 帝羅さんのお義父様とけいすけの間くらいのステータス。

 帝羅さん、コイツ…正直強いです。」


もちろん、その事は帝羅も既に肌感覚で感じていた。

しかし今更引けなかった帝羅はけいすけに攻撃を指示する。


「行きなさい、けいすけ!!

 今回は私の股間舐めの奉仕はしなくて良いから、

 全力で戦いなさい!!」


妨害能力が効かないであろう事を予見し、帝羅はけいすけに

ただ純粋に戦う事のみを指示した。


「クク、わかってるじゃあねぇか。

 鉄バットチンポ隆一はなぁ、妨害型の能力を使われると

 その効果を破壊した上で自らの糧とする事が出来る。

 つまり、最初から能力を発動しなければ問題ねぇ。

 それに直感で気付くとは、お前大したモンだな。」


帝羅の直感は母親である覇神零譲りのものであった。

かつて単身でマゾカード運営側に挑んで犯されてしまった母。

その勇敢で唯一無二の力を受け継いだのが帝羅なのだ。


「お褒めに預かり光栄ですわ。

 ところでアナタ、そこまでして強くなりたい理由はやはり、

 望んだものが何でも手に入るというチャンピオン特典を目指して

 頂点に立とうとしておられますの?」


「ハッ、今更誰があんなお伽話みてぇな都合良い事を信じるかよ。

 オレはなぁ、運営側に認められて、運営の犬になりてぇんだよ。

 これから運営は覇神財閥を一方的に無理矢理力でねじ伏せて解体する。

 そうなれば実質この国はマゾカード運営のものになる。

 そこで実力を持った者は四天王等の高級役職に抜擢される。

 これからの時代を生き残ろうと思えば、そうするしかねぇんだよ!」


イチモツはチャンピオン等目指していなかった。

ただ、マゾカードバトルを通じて運営から認められれば、

運営が気付いた新たな時代の中で優遇された立ち位置に就ける。

ただそれを目指して彼は勝ち続けていたのだ。


「そんな…覇神財閥は簡単に解体される程弱くはありませんわ!」


「ハッ、言うじゃねぇか。てめぇ何だ、覇神財閥の使用人か?

 あそこは女領主が犯されて孕まされた時点でもう死に体だよ。

 あとはゆっくりと20年間かけてこの国の根幹に運営が入り込んだ。

 もう詰んでんだよ、覇神財閥なんて言うお飾りの馬鹿共はよぉ!」


帝羅は自らの家を馬鹿にされて最初は沸々と怒りが湧いて来た。

しかしこの戦いにおいて感情に支配される事は得策では無い。

そこで一度沸き上がった感情を鎮めようとした。

すると今度は大きな悲しみがやって来てしまった。


母親の無念、義父の甲斐性の無さ、使用人達の絶望。

そこにこれから来るであろう一家の殲滅と言う最悪の悪夢。

それを考えると帝羅の頭は思考を止めてしまい、

そのまま糞尿を垂れ流して心が消えて人形のようになってしまった。


凛が帝羅を心配して大きな声を荒げて言葉を投げ掛ける。


「帝羅さん、試合中ですよ!?

 どうしたんですか?起きて下さい、帝羅さん!!」


琴音が帝羅の状態を察して凛を制止する。


「無駄よ、凛。帝羅はきっと覇神財閥のこれまで受けた仕打ち、

 そしてこれから訪れる最悪の未来を想像して…心が死んだ。

 今は彼女には何の言葉も届かないわ。」


更に悪い事に、ただ戦う事を指示されていた自慰けいすけは

非常に劣勢に立たされていた。


鉄バットチンポ隆一の鋼鉄のように滾ったチンポで殴られ、

けいすけはスッカリ体中がボロボロになっていた。


「帝羅様、守れなくてすみません…。」


そう言うと、けいすけは地面に倒れ込んだ。

彼は既に立っている事すら出来ない程、強力な攻撃を打たれていた。


凛が悲鳴をあげた。


「そんな!自慰けいすけが負けた…!!

 105億を投じた唯一のマゾカードが負けてしまうなんて…

 もう覇神家は…帝羅さんは…終わり…?」


人形のように瞳孔が開き倒れ込んでいる帝羅を無理に起こし、

イチモツがニヤリと笑って言った。


「へぇ、糞尿垂れ流してくせぇけど、やっぱコイツ美人だな。

 垂れ流してくせぇケツを水圧かけたホースで洗い流して犯すか。

 それでコイツに最強のマゾカードプレイヤー孕ませるか。

 サラブレッドになるぜぇ、何せ最強のプレイヤー同士の子供だ。

 へっへっへ。」


それを聞き、凛と琴音は心底ゾッとした。

覇神家が、帝羅が壊される、それは再起不能なまでに。

しかしそれだけに留まらず、運営側の息のかかった男の子供を孕まされる。

これはまるで覇神零の悲劇の再来のようにも思えたが、

零の場合はまだ幸いにも復讐の希望が一筋残されていた。

しかし今回はその一縷の望みすら絶たれてしまう。

凛が絶望の中、琴音に言った。


「琴音さん…アタシ…もうここで自害しちゃおうかな。

 だってもう無理だよ。マゾ・カードは無いし、

 帝羅さんだって心が死んだらもう終わりだよ。

 こんなの、こんなの、…悪夢以外の何でも無いよ!!」


「・・・・・。」


琴音はそれに対して慰める事すら出来ず、しかし当然看過も出来ず

ただ無言で立つ事しか出来なかった。


「ハッハ、心配すんなよ。お前らも結構可愛いじゃねぇか。

 コイツ孕ませた後にお前らも孕ませてやるからよ。

 そしたら未来の運営幹部様の子供を身籠ってるとなれば、

 第二・第三夫人として多少は良い扱い受けれるんじゃねぇか?

 まぁでも、バンバン子供産ませるからよ、産む機械になれよな?」


その言葉は二人の心の底に最後に残っていた一枚のガラスを割るのには

十分過ぎるほどに鋭利な言葉だった。

ここで琴音が凛に絶望交じりの声で言った。


「凛…ウチに先に死なせて。ウチ、結構寂しがり屋だからさ…、

 せめて凛が看取ってくれてるって安心感の中で死にたいよ。

 わがままな年上でごめんね?だけど最後に一人で残るの嫌なの。」


この場を絶望が黒く覆っていた。

二人の死に急ぐ若い女性を前にして、イチモツは興奮して小さなイチモツを

ビンビンに奮い勃てていた。


もう終わる、そうして物語が膜を閉じようとした時、声が聞こえた。


━待て、まだ終わりじゃないッピ。━


それは二人にとっては聞いた事の無い、しかし希望に溢れた声だった。

その声を聞き、帝羅の身体がピクリと動いた。


無理矢理に蝶の羽を模した大きなビニール製の羽根を羽ばたかせながら

非常にうるさい電動駆動の音を響かせながら空からやって来たのは、

他ならぬ帝羅の義父であった。

彼は覇神財閥に婿養子として嫁いで来て、零を孕ませる事が出来ないままに

敵兵に寄り零を孕ませられた絶望を抱えた人物である。


しかしそれと同時に彼は非常に強力なマゾカードでもあった。

そんな彼が帝羅に声を掛けた。


「何を糞尿垂れ流してくたばってるッピ?

 ここからが反撃の時だッピ。

 母さんの無念を晴らせるのは帝羅しか居ないッピ。

 僕チンも協力するから、一緒にこの粗チン野郎を倒すッピ!」


帝羅はじわりと目を覚まし、その瞳の中には復讐の色が芽生えた。


「お義父様…いえ、お父様。

 そうですわね、絶対にこの粗チン野郎、許さないですわ。

 ちょん切って臭いケツに突き刺した上で、SNSで拡散しますわ。」


帝羅の心と瞳と覚悟は、復讐の一文字に燃えていた。


挿絵(By みてみん)

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