#7.マゾ・カードショップ
運命に導かれた三人
覇神財閥の秘蔵金庫から金塊を持ち出し、それを繰り返し売る事により
約98憶の資金を手に入れた帝羅はマゾ・カードショップに凛と琴音を呼び、
強力なマゾ・カードを購入しようと企んでいた。
凛が驚きの声をあげる。
「えぇ!?
いくら覇神財閥の娘とは言え、100憶なんて金額、
そう簡単に貰えるとは思えないんですが…。」
琴音が更に驚きを重ねた。
「アンタまさかそれ、盗んで来たんじゃないでしょうね?
だけどそんな大金、現金で用意してるワケも無いし、
一般的に考えれば金塊…って、そんな大量の金塊、
どうやって運ぶのよって感じだし、やっぱりちゃんと貰ったの?」
「ふふ、まぁ入手経路は秘密ですわ。
さぁ、この店で最高のマゾ・カードを購入しますわよ。」
マゾ・カードはその流通量の少なさから、
一般的なトレーディングカードのようには並べられていない。
一枚一枚が広いスペースを取り、大事に丁寧に展示されている。
「お漏らし大吾、コイツは5億ですわね…。
漏らし癖があるマゾでもこんなにするのね。」
帝羅の感想に対して、琴音が答える。
「まぁ、マゾ・カードって言っても中身は人間だからね。
ここで行われてる事は本来は人身売買みたいなもの。
かなりグレーって言うかドブラックだから、
今ウチらは違法な事をやっているのよ。」
「何だかそう考えると少し興奮しますわね。」
少しズレた発想の帝羅の発現に凛と琴音はズッこけた。
続けて帝羅達はマゾ・カードを眺めていた。
「長乳首の竜は14憶…。こんなに乳首が長いだけが取り柄のマゾが
結構良い値段しますのね。」
すると店の奥から主人が睨んで来た。
「おぅおぅ、ウチのカードにケチ付けんのか?
まだアンタらが見てるのは安い方のマゾ・カードだ。
ちゃんと高価なマゾ・カードを見てから感想言ったらどうだ。」
凛があるカードの前で、ふと手を止めた。
そこにあったのは『ションベンかけられ次郎』35憶。
「コレ…アタシのお兄ちゃんだ…。
お兄ちゃん、カードにされちゃったんだ…。」
悲しみに暮れる凛を、琴音がズレた慰めをする。
「だけど、35憶でしょ?
そこそこの値段付いてるしまぁ、マシな方じゃない?」
「…そういう問題じゃないよ。琴音ちゃん、兄弟とかいないの?
さすがにコレは凹むよ。しかもお兄ちゃん、名前が…。
ションベンかけられ次郎ってダサ過ぎるじゃん…。」
カードには、犬のコスプレをしながら全裸で股を開き
女性から小便をかけられて喜んでいる絵が描かれていた。
「お兄ちゃん…どうしてこんな惨めで無様な姿に…うぅ…。」
凛は泣き出してしまい、店主により邪魔だからと追い出されてしまった。
「ごめんね、ウチちょっと凛ちゃんの面倒見るから、
一人でカード見て選んでね~。」
そう言うと、琴音も店を出てしまった。
心細くなるが、仕方がない。帝羅は引き続きカードを見て回った。
「誇り高きおっ広げ芸人タカシ、65憶…。」
「おぅ、そいつは結構強いぜ。攻撃3500耐久2800服従1500だ。
伸びしろもあるし、良いマゾ・カードだ。
何より単なる戦闘型じゃない。おっ広げ芸により敵のマゾ一体が
場に出るのを5分間邪魔出来る妨害型でもある。
更には主人の体重を24時間毎に0.01kg減らしてくれる奉仕型だ。
更には敵の自爆攻撃を一度だけ身を挺して守るという特殊型でもある。」
店主の説明からするとかなり多用途なマゾ・カードのようだ。
しかしこのマゾ・カードには帝羅は魅力を感じなかった。
「長チンチンの平太。90憶,…。長すぎて気持ち悪いわね。」
「ソイツはその長チンチンに小便を溜められるからな。
トイレの手間が少なくて済むのがメリットだ。
特殊型として、一気に小便を放水する技がある。
オシッコ・トレイン・ホースシャワーって技なんだが、
かなり強力だし見ごたえがあるぜ。
攻撃6500耐久5500服従3500。かなりの上澄みだな、ウチじゃあ。」
しかし、このマゾ・カードにも帝羅は魅力を感じなかった。
何より長チンチンにアドバンテージが無さそうだと感じた。
「もっとマシなカードは無いのかしら。
う~んと、次は…自慰けいすけ…。単なるオナ猿かしらね。」
「おっと、値段も見ずにそれを言うのかい?」
「え、値段?…105憶…ダメだわ、予算オーバーよ。
あら、下にステータスと説明があるわね。
攻撃12000耐久20000服従4500…お義父さm…いえ、
ピピピ野郎に近いステータスだわ…。更に?
出現時に自らと主人・仲間の周りに射精をして、
その範囲がテリトリーとなり、侵入不可になる妨害型。
更に主人の性感を高めるマッサージも得意な奉仕型。
また、放出した精液に触れると極端に動きが遅くなる、
特殊型としても有能な能力を持っている…。」
「どうだい?結構良いだろ。ウチでは最高レアだぜ。」
「ください!コレ、このマゾ…買わせて下さいな!!
あぁ、でも98憶しか無いの…私の身体で払わせてくれないかしら?」
「い、いや、アンタみたいな成人してそうな女はタイプじゃないんだ。
オレはロリコンだからな。だから、ごめんな。
このマゾ・カードはビタ一文、まけられねぇんだ。」
「・・・・・。」
帝羅は、一枚のマゾ・カードをテーブルの上に出した。
「嫉妬三郎。妨害型のマゾ・カードよ。
カードショップって事は買取もしているのでしょう?
このマゾカード、いくらになるかしら?」
「う~ん、コレだと5000万、って所かなぁ。」
「弱いわね…。わかったわ、ちょっと待ってて頂戴。」
そう言うと帝羅は店の外に出て、何やら琴音と揉めているようだった。
そして琴音の悲鳴が聞こえて来たかと思えば店内に戻り、
2枚のカードを差し出した。
「ハァ、…ハァ。ヴィジュアル太郎とギー太郎、この2枚はいくら?」
「ちょっとアンタ、お仲間のマゾカードを無理矢理奪ってねぇか?」
「良いから、早く査定して頂戴。」
「う~ん、コレはそれぞれ、2憶と1億5000万ってところだな。」
「あと3億足りないわね…。」
「アンタ、やめときな?無理してまで買っても、
もし使役出来なければ無用の長物になっちまうぜ?」
「いいえ、その子が良いの。絶対強いもの。
そうね、コレはどうかしら、正直初心者用だけど…調教済みよ。」
そう言って、帝羅は雑魚助を取り出した。
彼女にとっては初のマゾ・カードである。思い入れもひとしおだろう。
「アンタ、コレは競技者になった時に手に入れたマゾカードじゃないか?
そんな思い入れ深いものを良いのかい?」
「えぇ、別に思い出とかそんなの、お金に関係ないもの。
とにかく今は強力なマゾカードが欲しいのよ。
その為なら全てを賭けられるわ。」
「・・・・(ゴクリ)」
店主は帝羅の凶器とも思える姿勢に緊張が走った。
そして査定を行った所━━。
「3億だ。コイツ、初心者用にしてはよく調教されてる。
このまま調教すればまだ伸びるぜ、コイツ。」
「だけど、自慰けいすけには勝てないでしょう?
私、このマゾが良いのよ。コイツなら、勝てるかも知れない。
コイツを調教して、運営側を壊滅させるのよ。」
「アンタ…まさか覇神財閥の関係者かい?
いや、そうでなきゃそこまで情熱的にはなれないよな。
あ、いや、良いんだ。聞かないでおくぜ。
よし、わかった。これらのカードと98憶、それで
自慰けいすけの購入代金とさせて貰おう。
ホラよ、持って行きな。」
こうして帝羅は、強力なマゾ・カードを手に入れた。
店を出た帝羅を待っていたのは、琴音の抗議だった。
「ちょっと、何でウチのマゾピを勝手に売ったの?
ウチの手持ちマゾ・カードが0じゃん!!」
「心配しないで。コイツで勝ち続ければ貴女にも
強いマゾ・カードを渡せるわ。
アレ?そう言えばこの店でイベントがあるのよね?
それを聞くのを忘れていたわ。」
「まぁ、一応今夜あるはずだよ。
店の最高レアリティのマゾ・カードを手に入れたとは言え、
イベントに勝ちに来る人達は本気だから、どんなのが来るか
ハッキリ言ってそのマゾカード、取られるかもよ?」
こうして帝羅はマゾカードショップの最高レアリティマゾを手に入れたが、
今夜開催されるイベントでの戦い次第ではそれを奪われる可能性もあり、
マゾ・カードバトルの深淵の沼地にはまり込んで行くのだった。




