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マゾ・カード  作者: みぎゃー


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2/14

#2.最初のカードと覇神家の真実

「さて、それではまずはマゾ・カードの説明をせねばならぬな。

 マゾ達には大きく分けて4種類のカードがおるぞ。

 最も多数派なのが戦闘型。主に攻撃力、耐久力、服従度がある。

 初手雑魚助もコレじゃな。」


「ええと、カードから確認出来るのかしら。

 初手雑魚助の攻撃力は50、耐久力は150、服従度が100。

 コレってどうなのかしら?」


「もちろん、最低ランクじゃ。

 まずコイツで他のマゾと戦えるようになるには、

 攻撃力を150、耐久力を250、服従度を200程度まで上げねば

 マゾバトルには使えぬじゃろう。」


「そうなのね…。それで、他にどんなタイプのカードがあるの?」


「うむ、次に妨害型じゃな。相手の行動を封じたり、弱体化させる。

 RPGで言う所の魔法使いに近いポジションかも知れぬな。

 この手のマゾは数もあまりおらぬから、見つけたら必ずゲットじゃ。」


「と言う事は、複数体を同時に使役出来ると言う事かしら?

 それとも、そうしたテクニックは高等なやり方?」


「まぁ、同時使役の上限と言うよりはそれぞれとの主従の度合いじゃな。

 キチンと主従関係を結べておれば何体使役しようが言う事を聞く。

 あまり構ってやっておらぬと、勝手な事をし出したり裏切ったりする。」


「へぇ、裏切るとかマゾのクセに生意気ね。

 それで、次のタイプは何かしら?」


「奉仕型というタイプがある。コレは主人のサポートや回復、

 特殊な儀式効果を発揮する者もおる。一匹は欲しいの。」


「へぇ、奉仕型かぁ…。毎日臭くなった足とか舐めさせたいわね。」


「お、良いのぅ、その意気じゃ。

 最後に特殊型。条件付きで強力な効果を発揮するタイプじゃ。

 最初のうちはあまり見かけないかも知れぬが、上級者になれば

 こうしたトリッキーなタイプのマゾに出会えるかも知れぬ。」


「なるほど、まずはこの子を育てる事に専念すれば良いのね。

 他のタイプについては追々学んで行くわ。ありがとう。」


「さて、それではマゾ・カードの模擬対戦をしてみるかの。

 中国人マゾの『連修養(レン・シュウヨウ)じゃ!』


見極はカードを取り出し、それを具現化させた。

連修養はそれほど強い敵には見えなかった。普通の男だ。


「コヤツも別に全然強いワケでは無い。むしろ最弱の部類じゃ。

 それでも初手雑魚助よりは少し強い。

 攻撃力は100、耐久力は150、服従度が200じゃ。」


現在の初手雑魚助のステータスは、攻撃50、耐久150、服従100。

攻撃力と服従度で劣っているようだ。


「さぁ、行け連修養!アヤツを倒せばご褒美にケツ叩きじゃ!!」


すると連の目の色が変わり、突然木の棒を持ち出した。

コレで叩こうと言うのだろうか。


すると、初手が突然泣き出した。


「う”...う”ぅう”...。」


どうやら恐怖から動けずにいるようだ。

更にはあまりの恐怖から失禁をしてしまった。


「えぇえ!?ちょっと、弱過ぎない!?

 コレなら私が戦った方がマシじゃないかしら!?」


「マゾ・カード勝負は基本的にはマゾ同士で戦わせるものじゃ。

 まぁこのように、服従度が低ければそもそも戦いにすらならん。」


「カードを手に入れて、これでやっと戦えると思ったら….。

 マゾの育成なんて面倒くさいわねぇ…。」


「何を言うか。マゾのステータスを上げて勝てなかった相手にも勝つ。

 コレこそがマゾ・カードの醍醐味じゃ。まぁもちろん中には、

 マゾ達が弱弱しく負ける姿を見たいと言う物好きも結構いるがの。」


「私は、マゾ・カードチャンピオンを目指しているのよ。」


「だったら、まずはマゾを鍛える事じゃ。

 お仕置き、ご褒美、スキンシップ。様々なやり方があるが、

 あくまで主人のために強くなると言う姿勢を崩さぬ事じゃ。

 そこを取り違えればマゾと言えど男。襲われる事もあるぞ。」


「わかりましたわ、3日後、もう一度挑戦しに来ますわ。」


こうして、帝羅は一度初手を自宅へと持ち帰った。


~覇神邸~


「ただいまですわ、お父様、お母様。」


「おかえり、帝羅。マゾ・カードは手に入れたかい?

 どうだ、良いマゾは手に入ったか?」


「いえ、最初は一番弱いマゾをあてがわれましたわ。

 鍛えないと全く使いものにならない雑魚ですわ。」


「ハハ、まぁ最初はそんなものだな。

 ウチにはマゾ調教専用の部屋もある。使うか?」


覇神邸は非常に広い屋敷を有しており、帝羅もその全てを把握していない。

しかしまさか自らの自宅にマゾ調教専用部屋があったとは驚きだ。


「つ、使わせて貰いますわ!

 一刻も早くマゾを強く鍛えたいのです!」


こうして、父親に連れられて帝羅は敷地の奥の方へと向かった。


(こんな奥の方にあるとすれば納屋くらいでは?

 そんな場所にマゾ調教部屋があるのかしら?)


「着いたよ、ココだ。」


父親がそう言って目の前にあったのは古ぼけた小さな小屋だった。


(やっぱり、ボロいわね…。設備も古いんじゃないかしら。)


しかし、引き戸を開けた中に入ると帝羅は驚いた。


小屋の中の設備はかなり作り込まれた専用器具が多く、

それはまるでスポーツジムが丸ごとSMルームになったようだった。


「こ、コレは…!!

 所々に沁み込んだ汗染み…誰か、ココを使っていたのかしら?」


「あぁ、母さんはマゾ・カードプレイヤーだったんだ。」


「え、母様が!?」


帝羅は聞いた事があった。父親は婿養子として覇神家に嫁いで来た。

その為、非常に優しいが威厳はあまり無い。

今回でも母親は帝羅の帰宅に顔を出しはしたが無言で部屋へと戻った。

愛想が良く、世話を焼いてくれるのは祖父母や使用人、それに父親だった。


「覇神家はね、代々マゾ・カードプレイヤーの家系なのさ。

 元々は海外で起こったゲームでね、奴隷達を使役する目的だった。」


父親の口から出るのは驚くべき情報ばかりだった。しかし帝羅は確信した。自分にはマゾ・カードプレイヤーの血が流れている。

それはつまり、適性があると言う事だ。

この

腑抜けた父親だってどうせ、母親に虐められに嫁いで来たんだろう。

そう思うと帝羅は父親に悪態をつきたくなった。


「お父様…いえ、マゾ猿。もう良いですわ、サッサと失せなさい。」


しかしその言葉に一瞬ビクン!と体を震わせた父親は、退かなかった。


「ほぅ、さすがは母さんの血を引くだけの事はあるね。

 だけどまだまだ、全然だよ。父さんのステータスを教えてあげようか?」


「!?」


帝羅は頭が混乱した。

父親がステータス?それはつまり、父親もマゾ・カードだと言う事なのか?


「ふふ、驚いているようだね。父さんはね、母さんのマゾ・カードだ。

 だけど婿入りするくらいだからね、かなり凄いカードなんだ。

 戦闘・妨害・奉仕・特殊全ての要素を兼ね備えたスーパーマゾだ。」


「す、スーパーマゾですって!?

 ち、ちなみに、ステータスは一体どんなものですの!?」


帝羅はあまりの事に動揺しながらも、今ここで聞かなければ今後、

この話題をはぐらかされるようになっては困る為、今ここで聞いた。


「攻撃18000、耐久25000、服従度5000。

 敵二体を無力化し、常に主人の足を舐めて体力・気力を回復。

 更にはリビドー値が溜まれば特大射精砲で敵グループを殲滅する。」


「・・・・・・・・・・・・・!!!!」


帝羅は頭の処理が追い付かなかった。

もちろん、自身が先程まで見て来た二名のマゾは初心者用だ。

それにしても、上級者向けのマゾはこれほどまでなのか。


「じゃ、じゃあ、何故お母様はマゾ・カードチャンピオンにならずに

 この家庭に収まっていますの?」


「それはね…、もっと強いマゾ・カードプレイヤーがいたからさ。

 父さんは情けなかったよ。手も足も出なかった。射精もした。

 ただボロボロと泣きながら、情けなく逃げ帰ったよ。」


帝羅は心底自らの父親を軽蔑した。

逃げたのは仕方ないとしても、逃げながら射精をするなど、

しかもそれを娘に赤裸々に伝えるデリカシーの無さにも辟易とした。


「さ、おしゃべりはここまでだ。初手雑魚助君、鍛えるんだろう?

 パパも一緒に手伝ってあげるでテチよ。」


急に甘えた赤ん坊のような声で媚びて来る父親に、帝羅は吐き気を覚えた。

そして謎の『テチ』と言う気持ち悪い語尾が何度も頭でリフレインした。


挿絵(By みてみん)

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挿絵(By みてみん)

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