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柏駅を西口から東口側に抜けて徒歩10分。
前回のオーディションでもお世話になったライブハウス『柏DOMe』が今回のステージだった。ここで、ジェロムズは1番手としてオープニングアクトを務めることになっている。
4人が到着した時、ライブハウスの外はまだがらんとしていた。それでも、時折スタッフらしき人達が慌ただしく出入りしているのを見て、奏介は少し緊張する。
ふと、その行き交うスタッフ達の中に見覚えのある顔を見つけた。
「あ、夏樹さん」
「夏樹さん! おはようございまーす!」
「みんなおはよう! 早いねー!」
「おはようございます」
「おはよう、夏樹」
「きゃー奏介くんに彼方ちゃんだ! 今日も彼方ちゃんが歌うの? 歌うよね! 私楽しみにしてる!」
「夏樹さん彼方にプレッシャーかけちゃダメ!」
「あ、ごめん! お詫びに梨音ちゃんと彼方ちゃんまとめてハグしてあげる!」
「むぎゅっ」
「ああこれは嬉しいけど暑苦しい!」
「あ、奏介くんもハグしてほしかった?」
「いえ……結構です」
ミューサンTシャツにジーンズ姿の夏樹はいかにも現場スタッフ、という感じだったが、やっぱり夏樹は夏樹だった。3人のスキンシップを見て少し安心する奏介。
「グッモーニン、夏樹。俺達はもう中に入れるのか?」
「お、グッモーニン、ジェロム! もちろんジェロムズは中に入って大丈夫だよ! ってかすぐ準備してリハーサル入らないと意外に時間ないからね! そんなわけでハグ終了~」
「やっと解放された~」
「もう疲れた……」
「お前らはしゃぎすぎだろ……彼方は一方的に巻き込まれた感じだけど」
「まあいいってことよ! だが、こっからは気を引き締めていくぞ」
ジェロムが腕を組んで、ライブハウスの真正面をにらみつけた。その表情はエネルギーに満ちている。しかし、口元は笑っている。
「だが、俺達自身も楽しむことは忘れない。いいな? それがジェロムズの鉄則だ!」
ジェロムの言葉に、3人が揃ってうなずく。
そして、会場に足を踏み入れた。




