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みんなで寝転がって、夜に染まっていく空を静かに見届けた。
校舎の中から、少しずつ気配が消えていく。その気配というのは、例えば人の気配。もしくは動物とか植物が生きている気配。さらに言い換えるなら、命の気配。
そして、天の頂に点る一等星。シルエットが濃くなってくる三日月。全包囲から、小さくても壮大なスポットライトが、4人を照らす。宇宙だった。今、ここが、宇宙の中心だ。
不思議なもんだ、と奏介は思う。
学校は、自分にとって日常の一部だ。時にはうんざりして、憂鬱で、行きたくなくなることもある場所だ。
それなのに、夜の学校の屋上にいるだけで、こんなに非日常でワクワクするような光景に出会えるなんて。
「ずっとここにいれば、何でもできそうな気がする」
そんな言葉が、自然と奏介の口からこぼれた。
それこそ音楽だけで、世界を変えられそうな気がする。手を伸ばしたすぐそこに、空が届きそう。それは、オーディションライブでのステージとはまた一味違った、全能感。
そしてその全能感は、奏介1人のものじゃない。ここにいるジェロム、梨音、それから彼方とも繋がり、共有している。そんな確信が、奏介にはあった。
「マジで、何でもできるよ。俺達」
「ってかさ、あたしらここで何かしようよ! 部室棟の屋上で過ごす夜なんて、もうないかもしれないんだし!」
「よし、じゃあ夕飯はここで食うか!」
まずジェロムが言った。
「じゃあその後もここで練習しよう」
それから奏介が続いた。
「すごい、屋外で演奏なんてPVみたい!」
「梨音、それいい」
反応した梨音のコメントから、最後に彼方がひらめいた。
「ここでPV撮るの、楽しそう」
全員が、それだ、という顔をした。
「よし、俺が必要な荷物全部取ってくる」
「部長、まだ見回りいるかもしれないからせめてもうちょっと待ってから出て行きましょう!?」
「ええい、そんな楽しそうなナイスアイディアを聞いて黙ってられるか!」
こうして、ジェロムズによる行き当たりばったりのPV製作プロジェクトが始まった。




