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ベルサイユの文学少女クリスティーヌ

  クリスティーヌはフランスのコンティ公国の公女として生まれた。兄弟は兄が1人。兄のエドワードは活発な少年で子供の頃から剣術や乗馬なんでもこなした。友人も多く屋敷にはいつも兄の部屋には友人達の訪問が絶えず笑いが溢れていた。

 一方クリスティーヌは人と絡むことを好まず1人で本を読んで過ごしていた。今日も1人庭で小説を読んでいた。

 クリスティーヌのお気に入りの本は「troi mosquetaires.」

フランス王室を守る銃士隊の物語だ。主人公のダルタニアンは仲間のアトス、アラミス、ポルトスと共に王都を荒らす悪と勇敢に戦うのだ。

強くて逞しい見目麗しい青年ダルタニアン。それがいつしかクリスティーヌの理想の男性像となっていたのだ。




「お嬢様ここにいらしたのですね。」

侍女の1人が呼びに来る。

「お嬢様、先生がお見えですよ。」

「先生?いったい今日は何のレッスンかしら?」

クリスティーヌは習い事をいくつかしていた。英語にドイツ語。様々な文学作品に触れるうちに原語で読みたいと思い習いはじめたのだ。今ではシェイクスピアの作品は皆英語で読めてしまうのだ。その他には絵画や刺繍等習っている。


クリスティーヌは侍女に連れられ向かったのは大広間であった。そこにはドレス姿の女性がいた。ダンス講師のマダムドリーヌであった。


「お嬢様をお連れいたしました。それでは失礼致します。」

侍女は部屋を去る。


「レッスンってもしかしてダンス?」

クリスティーヌはダンスが大の苦手だ。

「さあクリスティーヌ様初めましょう。」

クリスティーヌはドリーヌに合わせてステップを踏むがなかなか上手くいかない。

「クリスティーヌ様。それでは舞踏会には出られませんよ。」 

ドリーヌに諭されるがクリスティーヌは舞踏会など興味がない。

「私そんなとこ行きたくないわ。」

「クリスティーヌ様、舞踏会ではいい結婚相手が見つかるかもしれませんよ。クリスティーヌ様は19。同じ年の令嬢はたいていは婚約済みでございますよ。」

「私貴族なんて興味なわ。」

クリスティーヌは身分とか家柄なんかより強くてやさしい美青年のが好みなのだ。ダルタニアンのように。




「では近衛兵はどうでしょうか?」

近衛兵とは王宮の警護をする軍隊のことだ。家柄だけでなく容姿も優れた者ばかりで剣の強さは勿論のこと教養もきちんと身に付いている。

「きっとダルタニアンのような方に出会えますよ。」

ドリーヌにそんな話をすると俄然とやる気が出てきた。

ステップにターンも猛特訓した。

1日3時間のレッスンでかなりの上達ぶりを見せた。それから母である大公妃主宰でお屋敷で行われる舞踏会に出席することになたのだ。王妃マリーアントワネット様も招待することになっていたので当然近衛兵が護衛として同行する。クリスティーヌは運命的な出会いを期待した。








「だけどそこで紹介されたのはハプスブルク家の子息の1人。母が勝手に決めた許嫁だったのさ。彼は僕の理想とする男性像とは随分かけ離れていた。全てが馬鹿らしくなって僕は髪を切って家出したってわけさ。」

クリスチャンの話はそこで終わった。


フランソワーズは思った。貴族って平民と比べれば裕福だがその分自由はないのかと。

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