16/37
終わったはずの仕事
朝。
パソコンを開く。
昨日の仕事を確認する。
提出したはずの資料。
フォルダを見る。
ない。
メールを確認する。
送信履歴もない。
⸻
おかしい。
確かに作った。
残業して。
何度も確認して。
上司にも送った。
⸻
同僚に聞く。
「昨日、残ってましたよね?」
同僚は首をかしげる。
「昨日?」
「昨日お前、休みだったろ」
⸻
スケジュールを見る。
昨日。
休み。
⸻
でも机の上には
コーヒーの空き缶。
ゴミ箱には
修正メモ。
自分の字。
⸻
気持ちが悪くなって、
自分のノートを開く。
昨日のページ。
何か書いてある。
⸻
「仕事は終わった」
⸻
その下に
もう一行。
⸻
「思い出すな」
⸻
しばらく見つめる。
意味が分からない。
⸻
ページをめくる。
次のページ。
⸻
「思い出すな」
⸻
さらに次のページ。
⸻
「思い出すな」
⸻
ノートの最後のページ。
⸻
そこに
大きく書いてあった。
⸻
「あれは仕事じゃない」




