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13曲目4
くれなゐとも別れて、俺は駅前の音楽スタジオへ。
個人練習用の小部屋を借りて、ドラムを叩いた。
いつものように左足でリズムをキープさせながら、同時に、グルーヴを感じるために体を大きく揺らす。
簡単な8ビート、ちょっと複雑な16ビート。
灯先生から教えてもらったドラムの基礎。
ルーディメンツマシマシのえげつない16ビート。
アオ先輩に叩き込まれた発展技。
無心になって叩き続ける。
何時間も、何時間も。
疲れはなかった。
ただただ、胸が熱かった。
じんわりとした熱が、魂みたいなものが感じられた。
「……ん、今」
『何か』を掴んだような気がした。
「何だろう、魂が震える感じ。これが、グルーヴ? は、はははっ。過去編を終えて、覚醒? ラスボスを前に、必殺技を習得? マンガやラノベじゃあるまいし、ご都合主義が過ぎるだろ」
けれども、まぁ、人生なんて、そんなものなのかもしれない。
ともあれ俺は、『グルーヴ』を覚えた。
左足のリズムキープとグルーヴの共存のさせ方も、明け方になる頃には完全にマスターした。
できることは、すべてやった。
家に帰って、シャワーを浴びて、少しだけ仮眠。
夢は見なかったと思う。




