愛の射手
そういえばさ。悪魔もいるなら、天使もいるの?
俺はあったことはないな。悪魔は神がいなくても存在できるが
天使は神様がいなければいる意義がないよな
ふふ、おもしろい意見ね。じゃあ、次は、天使の話にしましょうか。
愛を司る天使がいた。
その天使は弓で射った人同士を恋に落とす仕事をしてたの。
どの相手がどの相手と相性がいいか。天使にはわかる力があって、天使はその力に絶対の自信をもってたの。
だけどある時、魂を天国に運ぶ仕事をしてる仲間が文句を言ってきたわ
なんでも愛の弓矢で射った人ばかりが死んでいくんですって。
しかも相手の人に殺されたりしてね。
そんなわけはない、って愛の天使は言ったわ。愛の力で結ばれた男女が、憎しみあうはずがないって。
確かめるために、愛の天使は、肉の体を持って地上に降りて恋をすることにしたわ。
かっこいい男性を見初めて、愛し合うことは簡単だった。なんてたって愛の天使なのだから。
男は天使を愛したし、天使は男を炎のように愛した。
冷たくされるだけでも、天使は彼にときめいた。
だけど、三年立つ頃には、男のすべてが気に入らなくなっていたわ。老化していく体、他の女を追い回す脳味噌、不快なだけの男の臭い。
ついに男が自分より幼い娘に恋したとき、天使は彼を殺した。
昇っていく魂を追いかけ、地獄に落ちるように空にわめいたわ。
愛を繋ぐ仕事に戻った天使は。もう弓を引かなくなったわ。
え?つまんない話だったな?
いやねえ。話はまだ続くわよ。
でも年月がたつに連れ、天使は男が恋しくなった。
わめいて叫んで地獄に落とした男を再び恋いこがれた。
恋の矢を射なくなったことで、今度は昇っていく魂に孤独で死ぬ魂が多くなった。
やっぱり愛は必要なのだと、天使は悟ったの。
自分が誤っていた。そう思って男の魂を癒しに、地獄まで赴いた。
苦難の嵐だったけど、罰を受ける男の魂をみつけることができた。
天使は謝り、男の魂を救おうとした。男は謝罪を受け入れ、抱きしめた。
そして二人手を取り合い、地上に戻ろうとしたとき、
男は天使を地獄にたたき落としたの。
男は吐き捨てたわ。
「お前のおかげで、愛がどれほどくだらないものかわかった」
天使は今なお、地獄で自ら罰を受け続け、懺悔を繰り返しているそうよ。
でも天使は不老不死だから、そのうちまた愛の矢を打ちはじめるかもしれないわね。
おしまい。
あら、悪魔、楽しそうね。
おお、これは結構好きだぜ。悪魔をやってるとな。馬鹿みたいな願いで呼ばれることが多いんだ。
特に愛に関するものをな。
そういうのは、悪魔にとっては大好物なのさ。
私としてはあまり出来がよい話じゃないんだけどね
……でも悪魔さん。愛を甘くみてたら、あなたはいつか痛い目みるわよ
そうかそいつは楽しみだ。……じゃ、次の夜を楽しみにしてるぜ。
ええ、次の夜に。
やっつけで書いたからあまり出来はよくありませんね
これで少しの間は悪魔に食べられないかな




