9話 ー父ー
建物についた。
「ワルナーさん、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ、肩を貸してくれてすまないな…」
「フォレスティエン、入るぞ」
村一番の建物だ、村人全員は入れる。
建物を捜索し始めて、少し時間が経ったが、誰もいない。
後、部屋は三つだけだ。
「ここが一番、大きな部屋です」
フィニー師匠が、扉を開けようとしても、びくともしない。
どうやら、バリケードを作られているようだ。
ワルナーさんが扉を叩きながら。
「おい、ワルナーだ、助けを呼んできたぞ」
返事がない。
「フォレスティエン、離れろ、
種の源なる炎よ、種なる力を我に…【ノファイア】」
扉が燃えて、一瞬で消し炭になった。
すると、あの臭いが、部屋から漂ってきた。
唾を飲み込んで部屋を覗くと、とんでもない景色があった。
死体だ、
おびただしい量の、死体。
20から30はある。
その中には、母もいた。
俺は、その場で吐いてしまった。
フィニー師匠が言うには、
どうやら部屋に篭っているところに、魔族の奴らが、毒霧の魔法を使ったらしい。
「フォレスティエン、ここで待っているか?」
「いや…いきます」
フィニー師匠は、そういって、先に進んだ。
俺は、立ち上がって、ワルナーさんと、フィニー師匠についてった。
一つ目の部屋には、特に何もなかった。
そして、二つ目の部屋前に、魔族が倒れていた、さっきの魔族と比べて、装備が豪華だった。
そして、扉が開いていた。
そして、部屋に入ると、誰かが椅子に座って、下を向いていた。
見たことがある、
いや、見慣れた男だ。
「父さん!」
俺は、父さんに近づいた。
「父さん、俺だよ、カーラウトだよ」
すると父さんは顔を上げた。
その顔は、やつれていて、とても青白かった。
「ああ、カーラウトか、帰ってこれたのか」
安心の顔をすると同時に、それは、怒りの表情へと変わった。
「何で帰ってきたんだ、今すぐ逃げろ。
さっき魔族が言っていたんだ、魔族がさらに、この村に向かってきているらしい」
「わかりました、じゃあ座ってないで、立ってください、逃げるんでしょ」
「………すまんな、もっと家にいとけばよかったな、ずっと仕事で家にいなくて、ほんとに、すまん」
「何言って…」
(バタッ)
父さんが倒れた、
傷口をよく見てみると、紫色に変色していた、
毒だ、
「フォレスティエン、一度、落ち着くんだ。深呼吸をしろ。」
(父さんが、死んでしまった、母さんも死んでしまった)
もう誰もいない。
その瞬間、自分の中の何かがプツンと切れて、意識を失った。




