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たんのう 〜異世界では全力で楽しみたい〜  作者: すぎがん
第一章 新しい人生 【バーハ村編】
7/13

7話 ー朽ちた小屋ー

 

 今日もいつも通り、フィニー師匠とファマイラス大森林にやってきた。


「今日は、いつもより奥に行ってみるか」

「奥ですか?」


 ファマイラス大森林は、深くに行くほど、敵のランクが上がって危険になっていく、勇者のパーティでさえ、この森の中心には行けなかったらしい。


「奥といっても、C、Bランク程度の魔物だから大丈夫だ」


 ちなみに、フィニー師匠は昔、Aランク冒険者として活躍していたらしい。


「さっそく、でたな」


 大きな地響きとともに、10メートルはある森林の木の半分もの、単眼の巨人が木の影から出てきた。


(サイクロプスだ、Bランクの魔物だ…)


 全身が固まる、逃げたくても動けない。

 するとフィニー師匠が笑いながら。


「どうした、びびっているのか?」


 さすが、フィニー師匠だ。

 だが、これほどでかい相手を、どうやって相手にするんだ?


「聖なる光の魂よ、哀れな愚者を滅ぼせ【スピリット・レイ】」


 フィニー師匠の杖から放たれた光は、閃光の速さで、サイクロプスの頭を消し飛ばし、

 そのまま周辺の樹木も吹き飛ばし、昼でも暗い森に一筋の光の柱ができた。


「ま、こんなもんか、ちょっとやりすぎちゃったかもな」

「流石です、師匠!」


 師匠はカッコつけたかったのだろう、一級魔法を使わなくても倒せたはずだ…

 まあ実際、流石といわれてとても嬉しそうだ。


「次はフォレスティエンがやれ」

「次ですか?」


 すると、フィニー師匠の魔術のせいでたくさんの魔物が集まってきた。

 全部で二十体はいるだろう。


「フォレスティエン、これは多い、流石に一旦逃げるぞ」


 そういうと、フィニー師匠は鬼ごっこをするかのように、楽しそうに逃げていた。

 まあ、今俺がいなかったら、フィニー師匠のことだし、一掃できるだろう。


 そうして数十分ほど逃げていると、


「フォレスティエン、ちょっと待て」


 フィニー師匠に止められた。


「どうしたんですか?」

「あれを見ろ」


 フィニー師匠の指が刺した方を見ると、朽ちてボロボロになった小屋があった。


 小屋は、近づけば近づくほど悪臭が漂った。


「フォレスティエン、俺から放れるなよ」


 小屋に入るとさらに臭いが強くなった。

 小屋の中には、机が一つと椅子が二つあるだけで、奥に続く扉一つがあった。


 扉に近づくほど、臭いが強くなる。


「フォレスティエン、お前は外で待ってろ」


 フィニー師匠が、部屋に入る瞬間を、小屋の外から見ていた。


 見えたのは、真っ黒な足だ。

 何の足かは、考えなかった。


 フィニー師匠は、あの小屋のことは、絶対に話さなかった。


 ーーーーー


 この日が、大きな分岐点だった。



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