11話 ー賢者ー
中心都市アキラスに着いてから、だいぶ落ち着いてきた。
俺は、父さんの姉の家に引き取られることになった。
どうやら父さんとおばさんは、いろいろあったらしいが、心よく俺を迎えてくれた。
フィニー師匠は、というと、都市から少し離れた場所に、小屋を建てた。
空間魔法の術式を刻んだ紙を持っていたので、家の内部はとても広い。
ーーー
ご飯を食べていると、おばさんが話しかけてきた。
「カーラウト、もう少しで誕生日だろう?」
いろいろあったから、すっかり忘れていた。
「はい」
「魔術学校に行く気はあるのかい?」
(魔術学校?)
聞いたことがある、どうやらこの街には、
四年間、魔術だけを勉強するために、特化したものがあるらしい。
専門大学みたいな、ものだろうか?
「引き取ってもらった上に、学校にまで…」
「こら!」
そういって、おばさんは俺の頭に、拳骨をした。
「あんたはそう思ってなくても、私はあなたを息子と思っているの、そんなことで遠慮なんてしないで」
拳骨の痛みがまだ残る。
だが、遠慮をされたルアラおばさんの心の方が、痛かっただろう。
「ありがとうございます、学校に行きたいです!」
「よし、よく言った!私に任せなさい、次、遠慮したら許さないからね!」
ーーーーー
そうして、入学試験に向けた準備を始めて、数ヶ月が経った。
相変わらず、フィニー師匠と訓練は続けた。
いよいよ、入学試験の日がやってきた。
初日は、筆記試験があった、まあそこそこと言った感じだった。
そして、二日目は実技試験だ。
試験会場には、二百人近くはいるだろう。
すると、黒髪の女性が前に出てきた。
「これより、実技試験を始める。
今回、試験官を務める、ルビィナ・クロムウェルだ。」
すると、周りがざわめき出した、
「ルビィナ・クロムウェルって、あの賢者クロムウェル様じゃないのか?」
「え〜、本物?」
思い出した。
十数年前に、この国が魔族の大群に襲われた時に、十八歳という若さで、全てを一人で倒したらしい。
その一件で彼女は、賢者と呼ばれるようになった。
「静まれ」
彼女がそういうと、一気に静まり返った。
「それでは早速、実技試験を始める。ではまず、その場で三人組を作れ」
(ん?三人組?)
俺は、この六年間、まともに同年代のやつと話していない。
実技試験は少し舐めていたが、厳しい試験になりそうだ。
次回: 12話 ーあまり物ー




