編
北畠一神斎
こんな古臭い名前を付けた両親を恨んでる
何だよこの名前、アニメ?もしくは時代劇から来てるだろこれ。
……キラキラネームよりはマシだけどな
ん?メールだ
……姉ちゃんか
『遅くなる前に帰ってくるように』
へいへい
行きたくない塾に行かされて、親の言う事に従う
人生つらすぎか?俺の人生が本になればベストセラーになるね!聖書の次に売れる。
この塾もおかしすぎだろ
なんで終電ギリギリまで勉強させんの?いじめ?バカなせい?
「ねぇ、そこの君。」
そう言われて振り向くと
「きっとこの先、地獄になる。だけどきっと、乗り切れる。」
「その先に、きっと希望があるよ。私が愛した貴方なら、必ず乗り切れる。」
何この人、何か言ってんの?
顔満点、スタイル…は、子供っぽいな
いやこんな不思議ちゃんなぁ……
……ありっちゃあアリだよな?
これ、逆ナンだろ?夜道で話しかけてきたんだし、逆ナンだわ、うん。
「希望?お付き合いの話ならお受けしますよ」
「君が、乗り切ったら、結婚してあげる。」
結婚!?お、重いけどきらいじゃないよ!
「じゃあ、頑張ってね、はいこれ。」
木刀を手渡された、え?修学旅行の土産か?
「がんばるよ!うん!君、名前は?」
「岡部、岡部三四。」
「そっか!俺は北畠一神斎ってんだ!よろしくな、未来のお嫁さん!」
岡部ちゃんは反転して、歩いて行った。
不思議ちゃん、いいね、最高。
未来の嫁と別れて帰路につく
木刀はリュックに引っ掛けとこ……
うわ、笑われそう……
駅に付くともう人がいなかった
「大人はおろか人っ子1人もいねーじゃん」
ん?停電か?
駅の構内が真っ暗になる
地下鉄だから少しだけ、いやかなり怖い
勘弁してくれよマジで
……まってりゃ治るか?
『電車乗ろうとしたら停電、帰り絶対遅くなる』
送っとかないと煩いんだもんな
姉ちゃんにメールを飛ばしておく。
十分は経った、未だに直らない。
「あの!誰かいませんかー?」
携帯のライトを頼りに歩く、本当に暗い
光源は足元と天井についた非常灯が鈍く光るぐらいの物だ
構内は周ったけど誰もいなかった
俺は階段を上がり改札付近にいるであろう駅員さんを見つけようと、行動していた
「ちょっ……何これ?映画で見たぞこんなん」
階段を登ろうと、前まできたが
鉄格子が階段一杯にはめられて、上に上がれない
「おいまじかよ」
こんな……え?来たときには無かったじゃんか
ありえないだろ……
「テストを受けよ」
どこからか聞こえてきた言葉は反響して、音源がどこにあるのかわからなかった
「誰かいるのかよ!!」
こっちも大声で返した。
その瞬間後頭部を硬い何かで殴られた
「いってぇ!」
いや痛いどころの話じゃ
「あがッ」
2発目がすぐに飛んできた。
「体が、頭痛え!マジ痛え!」
夢?いや、後頭部がめちゃくちゃ痛いし夢じゃ無さそうだ
誰だか知らないけど絶対許さない、ぶち殺してやる
「つーか、ここどこだよ」
携帯は25時を示している、大体2時間ぐらい気を失ってたのか
駅にいたハズなのに、今は路地にいる
背中側は壁で前に進むしかない。
「持ち物は全部揃ってる……あ!そうだそうだ」
未来の嫁からもらった木刀!一応もっとこう
『何処行ってんの!早く帰ってきなさい!』
新しいメールにはそう書かれていた
そうだ!110すれば!
「圏外……まじか」
必要な時に使えないな……
「なんでメールだけは受信できてたんだ?」
……機械に弱い俺にはわからない。
路地を歩いて行くと、曲がり角に一瞬人影が見えた
俺を殴った犯人か?
どこかお店の裏口らしい扉、民家の扉もあったが
内側からロックがかかってる。
まあ夜中だし、起きてないわな……助けてくれないかって思ってたけど無理そうだ
「追いかけるか」
曲がり角まで走り、先に進む
「実際見ると気持ち悪いな」
道の壁、その両面に
"助けて!""家族だけは助けてくれ!"
とか、まあ他にも色々、血文字で書かれていた
「傷を負ってから自分で書いたとは考えにくい……犯人の仕業だろうな」
こんな時、普段の俺ならパニックになりそうなもんだが……びっくりするほど冷静でいられた
先に進む、右手に持ってる木刀に力が入る
「また曲がり角……ん?」
いままでとは違う
いや、どこが?と聞かれたら答えられないが
確かに違う、そう思う扉があった
「南京錠がかかってる」
くっそ、開けられる物はないかな
……ごめん!
南京錠はボロかった、だから石で殴って壊す事にきめた
2回も殴れば鍵は壊れた
「後で持ち主に謝りに戻ってこないとな」
扉を開け、中に入る
普通の家みたいだ
ドン!
大きな音が鳴り正面の扉が開く
「が!いいい!が!」
金槌を持った、顔が真っ黒な男性?が出てきた
黒いアレは……なんだ?顔が見えない!
こっちに襲いかかってきた!
「止まって下さい!鍵の事ならごめんなさい、弁償しますから」
「い!ぃ!」
俺が下がらなければ、あの金槌は頭を砕いていた
本気で殺しに来てる。
「上等だ!殺してやる!」
木刀のリーチを生かし、頭に全力で振り落とす
一撃じゃダメだ!もっと!もっと!
頭かち割ってやる!!
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ねーー!!」
俺は何度も何度も頭だけを狙い、化け物を殺した
動かなくなっても、数回は頭を木刀で殴った。
「この木刀…すげぇ、力が湧いてくるし、全然疲れない」
あれだけ木刀を振ったのに腕が痛くない
この先、もしこんなのが出てきても…コレならやれる
化け物を殺して家に帰る
家族が心配だ……まってて、姉ちゃん。




