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望迷編5


 

姫川は必ずわかってくれる、わかってくれるんだ

「いったい、どんな不可思議の影響でこんな事態になったんだ……?」

現実を捻じ曲げる、そんな不可思議は滅多に無い……らしい

確かに、失明作戦の影響で多くの職員が駆り出されたから、他の不可思議の対応が遅れた可能性は十分にある

「まずは……景雲さんだ、俺みたいに影響を受けてない可能性がある人は景雲さんしかいない!」

 

あの村がどうこうではない、俺と言う影響を受けてない人間がいる以上、景雲さんが影響を受けてない確率は高いだろうと言う話だ。

「姫川の事もあるから……五分五分って所だが……」

それでも確率は高いんだ、縋るしかない。


「まいったな……忘れてたよ」

そう、景雲が今どこにいるのかが分からない

真縅にいれば調べるなり人に聞くなり出来た

今は真縅に入る事が出来ない状態だ

……そいや、確か景雲さんと初めて出会った時に、東京本部に移動だとかどうとか言ってたような……

「あー!もう、本部とか入れないじゃねーかよ!」

「……いや行くか、もしかしたら支部の外で会えるかもしれないし……」

淡い期待を胸に、東京へ向かった

 

「遠すぎる……いや実家の近くに新幹線が無いのが原因か?」

何だっていい、くだらない事だ。

……さて、どうすっかな

東京本部の場所はわかる、しかし迂闊に近寄る事は出来ない

「多分狂ってしまった情報しか流れてない、そして俺がスパイだって言う狂ってる情報は全支部に伝わっているはず……ハァ、やだやだ」


東京本部は町中、それも駅から徒歩ですぐの場所にある最高の立地だ

こんな所に予算を割くのではなく、もっと給料を上げてほしい、もしくは食堂をタダにするとか……もっと恩恵を目に見える形で……

「まぁ俺はもう真縅から追い出された身だけどな!アーッハッハッハ!」

笑えねぇよ、バカ

 

近過ぎず、遠すぎず、真縅の職員入口が見える場所……

「いらっしゃいませ」

「えっと、コーヒーと……」

あんみつなんて久々に見たな

「あんみつもお願いします」

オーダーを受けた店員が下がって行く

ここの窓からなら入口が見える、おまけに喫茶店だから長時間いても変じゃない。

 

おまたせしましたと、コーヒーとあんみつが届けられた

コーヒーの苦みと酸味が俺を安心させてくれる

そしてあんみつ……

「うんま、なにこれ」

この店初めて来たけど、こんなに旨いあんみつ食べた事ない

「……そういや誰かが言ってたよな、本部近くのあんみつが旨いって……ココだったのか」

 

アタリの店を引いて少しテンションが上がる

さて、来てくれるかな?

窓から外を見ながらあんみつを食べる

景雲さんの見つけ方は超簡単だ

「き、巨乳、それもひと目でわかる巨乳」

それがあれば……いやいやその胸が歩いていれば景雲さんだ。


景雲さんと知り合ったのは動く土器の確保の時

姫川が土器にびっくりして怪我をして、俺一人で行動していた時の事だ

もちろん最終的には姫川と二人で確保し、成功させたけど

「景雲さん、かっこよかったな」

独特の射撃方法だった

腰や足に銃をいくつも装備していた、それらは全て単発銃で、ジャグリングのように何丁もの銃を扱いながら射撃していた

あの使い方で百発百中なのには驚いた

 

景雲さんとは別の不可思議の対応をした

あの不可思議は……なかなか……

「いらっしゃいませ」

「あんみつを二つ、紅茶はいつものをお願いします」

やっぱりあんみつか、適当に頼んだけどココの名物なんだな

俺の直感も大したもんだ


さっき入ってきた客をチラリと見る

女性だ、一人であんみつ二つか……

まぁ全然、たくさん食べる女のコも好きだからいいけどさ……

窓に視線を戻して、道行く人を目で追う

「男、男、女、女、カップルは死ね、男」

いや男は見なくていいわ、見る価値無し。


いや……あれ?まてまて

もう一度さっきの客を見てみる

緑のメガネをしているのを除けば

「まるでクーパーさんだ」

一度そう思うとそうにしか思えなくなってきた

思い込みなんだろうけど……目が離せない

「世の中には自分とよく似た人が……何人いるんだっけ……」

細かい数字は忘れたけど、何人かいると聞いた事がある

 

「しっかしよく似てる」

ほくろの位置……目の色……手の……傷跡…!

……本人じゃないのか?

いやいやいやいや、あり得ない

昔クーパーさんに『よかったらこの後甘い物でも食べに行きませんか?』って言った時

『お誘いは嬉しいけれど……甘い物は好きではありませんので』

と!断られたんだ、だからクーパーさんじゃない

 

……いかんいかん、景雲さんを……って

「いた!」

……ハッ!声に出ちゃった

恐る恐る後ろを見ると、中にいた客が皆こちらを向いていた

「……誰か探してるんですか?」

その中にはもちろんクーパーさんもいた

「少し、話したい事があります、相席しても大丈夫ですか?」

「も、もも勿論ですよ、クーパーさんと一緒なんて幸せだなぁ!」

せっかく景雲さんを見つけたのに……これはめんどくさい事になったぞ

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