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「へ、ヘレナ様、そんな方向に行くと……どうなるのでしょうか……」と陽斗が言った。
何となく、落ち着きを失っているような。
地球の周りを回るのにも飽きたし、もう少し大回りをして、銀河系を巡ろうか、または、人間の言う星座とやらの周辺を回ろうかと考えていたのだ。
誰にも知られない所に行って、すべきことをしようという気もあるし。
すべきことって?
何するんだ? って?
いや~ね~、何を考えているのかしら。
決まっているじゃないの、サボテンになって、太陽の光を浴びるのよ。
どの星系でもいいわ、恒星のある星系で。
「あんたは、私の行く所なら、どこでも幸せだったわね」
「その通りです。おそばにいられるだけで、人の言う夢のような幸せ」
「じゃ、何をオタオタしているわけ? あんたにも、怖いことがあるわけ?」
「へ、へ、ヘレナ様が、ヘリオス様から離れて、大丈夫なものかと」
「大丈夫よ~。陽斗がいるし」
ズガーン! と叫んで、陽斗は馬車から外に飛び出して、まだ地球の回りを回っている馬車の周辺を、不規則な模様を描いて、飛び始めた。
「ヘリオス様~、ヘリオス様~」と叫んでいる。
「わたくし、幸せの絶頂でございます~。ヘリオス様の代わりに、ヘレナ様を愛し慈しみ、この身の果てるまで、守って参ります~~!!」
まさかとは思ったが、ヘリオスが死神の前に姿を現した。
「よろしく頼む」と我が兄が言った。
「お前は誰よりも、ヘレナのことを知り、にも関わらず、ヘレナを愛してくれた。これからも、ヘレナをお願いする」
「かしこまりました!」と陽斗が言った瞬間に、ヘリオスの姿は消えた。
なーんか、ちょっと面白くない感じ。
何なのよ~、よろしく頼むとか、ヘレナをお願いするとか。
私って、人権のない人なの……あ、人じゃなかったんだっけ。
でも、かなりいい気分でもある。
私って、古風なところもあるのよね、兄の公認のお付き合いって、正式っぽいし。
「陽斗~!」
「は、はい、ヘレナ様」
「馬車の中に戻って来て。一人じゃ、(うふふ)淋しいし」
「は、はい」と死神は、私の隣に現れた。
な~んか、お互いに照れてしまう。
「ヘレナ、可愛い」
「ヘレナ、綺麗」
「ヘレナ、結婚式~」
そうだ、サボテン達もいたんだっけ。ちょっと、馬車の中で増殖するのは、やめてよね。
「サボテン、可愛い」と陽斗。
まさか、サボテンが、恋敵???




