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ヘリオスの末裔 ヘレナ  作者: まきの・えり


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 皆で山下村に帰って、温泉に入ったり、走り回ったりすると、落ち着くわね。

 教育のお陰か、サボテン達も、スローだけど、ゆっくりと話せるようにはなったし。

 私は、長年の習慣か、サボテンと一緒にいると、落ち着くというより、ありのままの私に戻った~って、気がするのよ。

 ま、ありのままの私って、美しすぎる月の女神なんだけどね。


「ヘレナ~、綺麗」

「ヘレナ~、美しい」

「ヘレナ~、チャーミング」

 ありがとう、サボテン達。あんた達は、他意が無いから、そのまま信じられるわ。


 え? 長い年月賭けて、サボテンに教え込んだんだろうって?!

 んなこと、してませんて。彼らは、素直に思ったままを言ってるだけなのよ。

 正直なだけ。信じない人は、自分が正直じゃ無いせいね、きっと。


 皆の目は、お兄様を追っている。

 私と朱音の目もね。

 で、お兄様の目は、誰を追っているか……

 朱音?


 それが違うのよね。

 まんべんなく全員を追っているというか、把握しているのよね。


 世界中というか、地球中に、神経を張り巡らせている。

 私には、理解できないわ。

 自分さえ良ければいいじゃない。

 何の因果で、関係ない人間やら動植物に、神経を使うのよ。


 イライラしたらいけないわね。

 私の姿を追っている目も随分とあるけど、一々気にしてなかったのよ。

 その中に、ちょっと寒いのがあったのよね。私のイライラに同調する。


 うっわ~、死神じゃん……

 仕事が無くなって暇になったのはわかるけど、私を見つめないでよね。

 正直、キモいし。


「ヘレナ様、私は昔から、あなた様のことが気になって、気になって仕方が無いのです」

「話しかけるなよ、ゾッとするし」

「それそれ、そういうクールなところが最高です」

「これ、クールじゃないし。嫌いなだけだし」


「もともと、誰からも好かれない私ですので、嫌われたって大丈夫です。私の愛には、何の変りも無いし」

「そういうとこが、嫌われるんだよ。分をわきまえて、潔く身を引けよ」

「相手が死ぬまでねばる、しつこいところだけが、私の長所ですので」

「全然、長所じゃないし」


 見ている間に、死神は、ヘリオスの姿になった。

 ガッデム!!

 それだけは、してはならないことだろう!!

 しか~も、黄金の戦車に乗ったヘリオスだし……


 ヘリオスに憧れた小橋だって、身長を合わせるようなことはしても、ヘリオスの姿にはならない。

 礼節があるからだ。

 この礼節もクソもない死神やろう!!


 私も、フレームの中に死神やろうと、アマリカの大規模爆風爆弾をいくつか放り込んで、爆発させた。

 死神は死なないが、不快は感じるだろう。

 クソ!! 爆風にもまれて、喜んでいる……うう、ヘリオスの姿で……


 こうなったら、宇宙に飛ばす!

 私の目には届かない場所に一生縛りつける。

 死神に一生もクソもないから、永遠に。


「許してやれ」とヘリオスの声がした。

 こんの死神やろう、ヘリオスの声真似か、と思ったが、死神の方が驚いて、ヘリオスの姿をやめた。

「ヘリオス様」と平身低頭している。

「お許しください。暗くて寒い我が住まい。ヘリオス様は、私の憧れの神です」


「知っていた」とヘリオスは言った。

「お前は、もう死神ではない。明るくて暖かい場所に住めばいい」


 うっわ~!

 死神の顔が身体が変わっていく。

 内側から光を発する、美しい青年に変化した。

 う、美しい……


「ヘレナ様」


 あ~~~~~。

 助けて、サボテン達……

 美しいのよ~~~



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