日記-3
34、
電気ポットに残ったお湯を、排水口に捨てる。
やかんに推奨ギリギリの水を入れた。コンロにかける。換気扇を回す。
空にした電気ポットに入れる、湯が沸くのを待った。
35、
湯船に浸かる。頭を空っぽにして、好きなだけぼーっとした。風呂から出る。気持ちが楽になっていた。
36、
夕方。家々の壁が陽の光を反射して、白く輝いていた。
白い壁のアパートがある。外階段があった。白い外壁に、階段から黒い影が伸びていた。
37、
ビル風がごうごうと鳴る。風の音に混ざって、ときどき人の笑い声が聞こえた。
38、
夕方。青空が白みを帯びていた。
39、
夕方。太陽が傾きはじめていた。陽の光は、黄みがかった薄い白色をしていた。街がぼんやりとした光につつまれている。
どこか現実味がない色合いだった。
40、
昼過ぎ。晴れ。ベランダを影がすっぽりと覆う。日蔭に入ったからすこし暗かった。
太陽は出たままだ。日蔭の中にいても、どこか明るいままだった。
41、
夕方。小雨が降っていた。水たまりに、ささやかな波紋を、次々とつくっていた。車が水しぶきをあげて、道路を走る。
道に沿って設置された街路灯が、白くにぶい光を放っていた。
42、
夕方。雨。街並みが青白く見えた。遠くの景色は霞ががっている。よく見えなかった。
濡れたコンクリートが反射して、周囲の風景を映し込んでいた。
43、
深夜。雨。濡れた道路を車が走る。夜の暗さに、雨天の暗さが合わさる。
そんな暗がりを、白や黄色のヘッドライトがギラギラと照らしていた。
44、
夜。晴れ。中天に丸い月がかかる。白い月は、ほのかに黄みがかっていた。
冬の空気は澄んでいる。だからなのか、すこし冷たそうな月光に見えた。
45、
夜。晴れ。月が出ていた。昨日が満月だったからか、ぴかぴかと明るかった。
気のせいかもしれないけれど、空全体がほのかに照らされていたように感じた。
46、
夜。晴れ。月が天高く昇る。白いタイルのビル。タイルに月光が反射する。白くまばゆく光っていた。
47、
冬。深夜。中天に月がかかる。青白い月光が、街を淡く照らす。つつみ込むような優しい光だった。
ベランダの床に、ぼやけた白い月が映り込んでいた。
48、
パックの緑茶を淹れた。飲んだら身体が温まった。味がおいしかった。ほっとした。
49、
夕方。晴れ。道路に建物の影がぽつぽつと落ちている。影と影のすき間に、陽向があった。
車が日陰と陽向を出入りする。光に照らされたり、影に入ったりしていた。
50、
夕方。曇り。明かりの落ちた建物。暗い窓に、車のライトがちらちらと映り込んで、反射していた。
51、
深夜。雨。ベランダ。コンクリートでできたテラスが、雨に濡れててらてらと鈍く光っている。
濡れたコンクリートが、街の明かりをうっすらと反射している。ぼやけた街並みが、映り込んでいた。
黒い手すりも濡れている。街灯の白い光を、ぼやけた光に変えて跳ね返していた。
(完)
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