短編
一部の作品に含まれるもの。該当する作品の前に、注意書きをつけています。
※性描写
※ホラー描写
※どちらもR-12レベル
1、
月明かりを受けて、シーツの白さがよく映える。物干し竿に干したそれが、北風にはためく。石けんっぽくて、湿っている。そんな香りがした。
2、
※性描写(R-12)があります。性的ではないけど、下着姿のキャラが出てくる。
真夏。昼。パンツとランニングシャツだけを身にまとった大人が、自宅の床に転がっている。
コンクリート製の床はすこしひんやりとしていた。身体を冷ますにはちょうどいいのかもしれなかった。
3、
※ホラー描写があるかもしれません。R-12? すこし不思議系です。
見覚えのない映画館。そこで目を覚ました。
すこしごわごわした、やわらかなクッション。そんな質の座席に、身体が沈み込んでいた。
ポップコーンの香ばしい匂いも、他人のにおいもしない。自分以外に、人はいなさそうだった。ほこりのにおいはするような気もした。
すこし肌寒い。空調ががたがた、と鳴る音が、かすかに聞こえる気がする。空調が利いたうえでの寒さらしい。部屋の広さに性能が見合っていないか、設備が古くてガタが来ているのかもしれなかった。
照明は落ちている。
映画のエンドロールを流すスクリーンが、シネマを白く照らしていた。シンプルな黒い背景に、白い文字でスタッフロールが乗せられている。
無音だった。映画のタイトルはわからなかった。
隣を見る。背もたれがやや倒された席があった。
座席のクッションがすこしへこんでいるように見える。
座面にふれてみる。ほのかに温かい。
ついさっきまで、だれかが座っていたのかもしれなかった。
4、
夜明け。日の出前の暗い道を、街路灯が照らす。黒いアスファルトに、白い人工の光が、ぼやけて浮かび上がっていた。
5、
朝。曇り。水たまりがあった。昨夜の雨でできたものかもしれない。そよ風で水面がゆらゆらと揺れていた。
6、
夜。曇り。冬から春にさしかかる季節の、生ぬるい空気があった。
日が落ちて、暗い灰色の空。その遠くのほうで、白い光がぼんやりと浮かび上がっていた。チェーン店の看板の明かりだったのかもしれない。
埃、花粉、黄砂など、こまかい粒が舞う春の日だったからだろうか。それらの粒に光が遮られていたのか、光がやたらぼやけて見えた。
(完)
読んでいただき、ありがとうございます。




