表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

日記-2


18、

 やかんの口から、湯気が立ちのぼる。膨らんだり、しぼんだりしながら、ゆらめく。

 まるで、やわらかな質感があるように思えた。温かさも持ち合わせている。柔らかそうで、あたたかい。

 布団とすこし似ていると思った。


19、

 ふろ水の清浄剤を入れた。塩素のにおいがした。プールと同じにおいがする、と思った。


20、

 早朝。外から射す光が青白かった。街がまだしんとしているのもあって、夢のなかにいるようだった。




21、

 日の出前。東の空から、明るい光がじわじわと広がっていく。中天には、深い青がすこし残っていた。

 夜と朝の気配が、どちらもあった。きれいな空だった。


22、

 ビルの屋上にある貯水槽が、朝日を背負っている。細くたなびく、雲の切れ間。目がくらむほどまばゆい太陽が、見え隠れしていた。


23、

 窓のそばに寄る。外のにおいがした。すき間風が、入ってきているようだ。


24、

 チョコレートを食べた。カカオの苦みと芳ばしさが、鼻を抜けていく。砂糖の甘さが身に沁みる。心が癒やされた。

 チョコがゆっくりと溶けて、やわらかい食感になっていくのも心地よかった。


25、

 スマホを一日中触っていた。空を見ても、外の空気を吸っても、感動しなかった。感覚も感性も、にぶるのかもしれない。




26、

 明け方。新月。星は見えなかった。夜空は、黒っぽい青空みたいに感じられた。

 街は、静寂につつまれている。人工の白い明かりが、ぼんやりと辺りを照らしていた。

 静かで穏やかな光景だった。ほっとする、と思った。


27、

 夜明けの空が、うつくしいグラデーションに染まっている。

 地平線に近いところはオレンジ色。空の中ほどに近づくにつれ、クリーム色、緑がかった水色と変わっていく。中天は群青色だった。

 雲ひとつない空だった。


28、

 早朝。街が、弱く白い光で照らされていた。


29、

 朝の光のなかに、街路灯の光が溶け込んでいる。夜を照らすための白くまぶしい光が、弱々しい朝日につつまれていた。


30、

 昼ごろ。日差しがベランダを焼く。灰色のアスファルトが、白く輝く。その上に、格子状の手すりが、黒い影を伸ばしていた。



31、

 昼ごろ。窓を開けた。暖かい、昼間の匂いがした。


32、

 深夜。窓を開けた。風が冷たかった。雨の気配がした。ここ数日は、春みたいに暖かかった。それだけに、夜の寒さが堪えた。


33、

 カンカン。雨粒がなにかを叩く音がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ