90、最終料理戦
魔力で疲労なども回復することが分かった。
しかも今の出魔力はそこまで減っていない。
……これで、24時間戦えるかもしれない。
でも人間として終わりそうだ……などと俺は考えてしまった。
そこで寿也が、
「これって魔力回復の魔法もあるのか?」
「……あるな。うん」
「いざ戦闘時は回復役もこなしてくれるわけか」
「これ、リスクが何かあったりしないのかな……」
「今のところ目に見えてリスクはなさそうだし、この世界はこういうものなんじゃないのか?」
「……そうだな、そう思っておこう」
俺は色々と考えないことにした。
とりあえずは疲労回復は行ったので、再び今後について考える。
「カレーライスとピザだがここにあるもので作るとなると、フライパンで焼くピザと、お米を熱い力鍋で炊いて、カレーもまずは素材を煮たりするのに圧力鍋をつかって時短か。お米は炊飯器で炊けないか?」
「ここに家を召喚してもそれが許されるかどうかわからないからな。炊飯器は確かに楽だが……」
といった話をしているとそこで百合が、
「でも圧力鍋でもご飯はたけるし、いいんじゃない? そういえばカレーのもととなるスープって、シチューの元も入れたらホワイトシチューになるんじゃないかな?」
「そういえばそうだな。でも量を考えると……半分くらいならいけるか?」
「じゃあ作ろうよ。それでまた一品作れるし。料理の品目も確か基準になっていたよね」
といった百合の提案からシチューも追加で作ることになった。
そうしているうちに、時間がやってきて……“自称・悪の美食会”のボスが現れたのだった。
現れたのは初老の男だった。
だが先ほどのカタスといった人物を老人にしたような存在だった。
ただ目が妙に鋭い気がして何となくこわいと俺は思う。
そしてとくに話すこともなく、調理が始まる。
米を研いで圧力釜で炊くのと、事前に焼いておいたピザ生地(パンの一種ということになっている)に具をのせていくこと、これらは百合と寿也にお任せして俺は野菜の皮むきなどに入る。
百合にはご飯を炊く操作を終わらせた後野菜を切る手伝いをしてもらうことに。
寿也は、この世界でよく使われているトマトソースの瓶詰を生地に塗っている。
この世界の物をできる限り使って変わったものにするのもいいかもしれないと、以前寿也たちと話した記憶があったのを俺は思い出した。
そういったこともあって現在寿也は頑張って作っている。
俺もまずは玉ねぎの皮をむいていく。
本日はジャガイモと玉ねぎニンジン、謎肉の一般的なカレーの予定だ。
というわけで途中から百合にも手伝ってもらい、皮をむいていると、“自称・悪の美食会”のボスの方から虹色の輝きが見える。
思わず見てしまうと、鍋から虹色の煙が黙々と上がっている。
どうやら煮込み料理であるらしい。
俺達はそれを見つつ野菜を煮ながら、そこでカレールウを取り出した。
事前の確認では調味料の許可が出されたので大丈夫だと思うが……そこで、
「ちょっと待て!」
“自称・悪の美食会”のボスはそう声を上げたのだった。
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