89、二回目休憩
こうしてデザートの戦いは終了し再び休憩時間になった。
とりあえずは一時間ほどの休憩時間が貰えた。
しばらくはゆっくり休むことにした俺達だが、ここであることに俺は気づいた。
「次はボスなんだが……」
「ボス戦は大変そうだよな」
寿也の言葉に俺は頷きながら、
「今までで一番料理の旨い人間が来るのだろうと思うが……これまでの二回があんな形で勝ったし、すでに俺たちの勝利は決まっているんじゃないのか?」
「実はボスが勝てば引き分けになる設定があったりして~」
百合が、冗談を言うかのようにそう呟いた。
だがそれを聞いた俺は少し黙ってから、
「ありうる。そういえばそのあたりはどうなっているんだ? ちょっと審査員たちに聞いてみるか」
そう言って、審査員席に座っているクレア達の方に俺たちは向かったのだった。
現在俺たちは困惑していた。
理由はクレア達に、その今回のボスを倒しても引き分けにしかならないといった変な話はないかどうかの確認だった。
さすがにこれはない、と思いたいがこれまでの二回戦の買収問題やら禁止果実やら……負けると戦闘に入るといった点やら、俺たちの予想をはるかに超えている。
だから念のためということもありクレアに聞くと、
「さすがにそれはないですよ、すでに勝ちは決まっています」
「そうです。二人に勝ったのですから、人数で勝利しています!」
サラも自信をもってそういうが、そこで審査員の一人が、
「あの、言いにくいですが、私のきいた話では、今回の“自称・悪の美食会”のボスを倒さないと勝利確定にはならないと聞いています」
といった話を俺たちは突然聞かされた。
それにクレアとサラが反発して、いろいろと話をしていると、二人だけに走らされていなかったらしい。
なんでも、“自称・悪の美食会”のボスを倒すと、それまで二人分の勝利と同じものが得られるのだとか。
敗者復活戦があった方がいいだろうといった話もあったらしい。
だが結果として、“自称・悪の美食会”のボスと戦わないと勝利とは言えなくなってしまったのだ。
やられたと思いながら俺たちは、また離れた場所で休憩をとる事になった。
飲み物を飲みながら愚痴を言っていた俺達だがそこで、
「そういえばやけに疲れた気がする。……俺達だけで三回戦連続戦っていて、あの“自称・悪の美食会”の料理人は一回ずつだ」
「そういえば……」
「やられた……」
ここで俺たちはすでに敵の罠にかかってしまったことに気づいた。
俺たちの疲労まで敵の罠だったのだろうか?
とりあえずのろのろと俺たちはカレーとピザの準備をしておくが、疲労はたまっていて……。
そこで俺はあることに気づいた。
「ファンタジーな異世界なら、回復魔法はないのか?」
「……どんなふうに回復するんだ?」
そこで寿也がそう言ってくるが、とりあえず俺は自分のステータスを確認すると、
「体力が減っている。そういえばこの世界ってポーションみたいなものはあるのか? まあいい、とりあえず、お前たちも道ずれだ。集団回復!」
そこで気味悪がる寿也と、どことなく距離を取り始めた百合に向かって魔法を使う。
すると体力が回復して、疲労も全くなくなってしまったのだった。
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