62、食材探し
現れたのはギルドで喧嘩を売ってきた、ひげずらの筋肉ムキムキマッチョと、スキンヘッドのマッチョの冒険者達だった。
どうしてこんな場所に彼らが、と俺が思っているとそこでスキンヘッドが、
「お前たちに追い出されてギルドの外をうろついていてとりあえず山に食材を取りに行った帰り道にお前たちを見つけたから追ってきたのだ」
「そうですか、それで俺たちに何の用ですか?」
ここで分かっているだろう? 人気のない場所で、俺たちをバカにしたお前たちを秘密裏に……なんて話にならないといいなと俺は思った。
倒した後にこんな魔物の出るような場所に放置するのも……何かありそうで嫌だし、かといって運んで行くのもいいが途中で目を覚まされるのもいやだ。
けれど襲ってくるならば降りかかる火の粉をは払わねばならない。
そう思いながら俺は、
「何が目的なのですか?」
「目的、目的は……お前たちに“決闘”を申し込むことだ」
「“決闘”ですか?」
俺は妙な話になってきたなと思っているとそこでスキンヘッドが、
「俺たちは料理人でな。グズダ様を負かしたお前たちを絶えせば俺たちの名声は不動のものになるというものよ」
「……審査員は誰になるんだ?」
俺は何となく聞いてみたが、そこで、
「クレアお嬢様でいいだろう。あの方は“公平”だからな」
「そうなのか。それで、どうして俺たちがお前達の“決闘”を受けなければならないんだ?」
そこである疑問を持ってそう聞くと、二人は沈黙した。
それを見ながら俺は、
「では受ける理由がありませんね。では、さようなら」
俺はそう告げてその場から逃げようとすると、スキンヘッドが、
「だがそれならぼこれから毎日、“決闘”を受けてもらえるまで通うぞ」
「……」
「そして大声で屋敷の前で何度も叫ぶぞ」
「……」
「毎日通うからな。諦めないからな。一度でも戦わない限り!」
などと言い出した。
迷惑な、そう俺が思っているとそこでサラが、
「ここで戦っておいた方が楽なのでは」
「また約束は破られるような気がしますが」
「一度倒しておけばこちらも口実ができます」
などとサラが言うので仕方なく俺は、寿也や百合たちに、
「“決闘”、受けていいか?」
そう聞いたのだった。
そして簡単にルールが決められた。
この森で取れる食材を使い、料理をするらしい。
食材探しに一時間、料理に一時間。
自前の調味料を使うのは今回はいいそうだ。
ただしと付け加えられた。
「そのカップラーメンはダメだ」
「な、なんてことだ」
ひげもじゃの男のその宣言に、寿也が悲鳴のような声を上げる。
またもカップラーメンを使おうとしていたらしいが、ここで止まってしまった。
そんな寿也は意気消沈中であるらしく、カップラーメンを作り始める。
これでは寿也は一緒に食材探しに行けそうに見えない。
取りあえず、クレアに寿也はもしものことがあった時のために見てもらうことにして、俺と百合、サラと一緒にこの森の中……キノコ以外の使えそうな食材を探して回ることになったのだった。
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