63、食材見つけた
この時期に採れて、使えそうな食材。
できれば俺達にもなじみのある香りや食べ物があればいいが……と思いつつサラに、
「この時期に手に入りそうな食材は何がありますか?」
「そうですね……ハーブ系もありますが、やっぱり“タケノコ”や、“ほうれん草”がとれますね」
「今、俺にとって馴染みのある野菜が……」
「そうなのですか? やはり異世界の味付けにした方が今回もいいでしょうか。それはそれで……やはり悔しいですね」
「……この世界の料理も、クレアさんの家でいただいたものは十分美味しかったですよ」
「ありがとうございます。でも意外性は大切……となると、今回も、皆様にお願いした方がいいでしょうか」
そうサラが、自身のふがいなさに対してであろうため息をつく。
それを見ながら俺自身も、この世界の料理に俺たちの世界のものをなじませる形で勝利する……そういったことができれば、いいな、今後は考えようと俺は思う。
そうして他に手に入りそうな野菜や食材となると、サラがそこで何かを見つけたらしく、そちらの方に向かう。
俺達も追いかけていくと赤い小粒の果実が実っている。
「甘酸っぱい果実があったはず。“森イチゴ”と呼ばれるもので、酸味が強いのでジャムなどにしています」
サラがそう言って紹介をしているのを聞いていた百合が、一つそれをとって口にして、
「酸っぱい……でも香りがいいかも。ミルクと合わせてアイスのようにできないかな?」
「どれどれ……すっぱ……でも確かにアイスにしたら美味しそうだ」
「でしょう! 氷などを出してもらって後で作ってみよう」
そう百合は言って果実を集め始める。
やや黒ずむようないろになったのが完熟した果実であるらしい。
それらをそこそことってから俺は、
「そうだ、ほうれん草もタケノコも、俺が調べて探せばいいんじゃないか」
そこで気づいた俺はあわてて、それらを探査し始めたのだった。
途中で、山椒のようなハーブを手に入れつつ、まずはほうれん草を俺たちは探していく。
俺のイメージは畑でしか採れないものだったがこれは、綺麗な湧水の出ている場所に生えているものであるらしい。
実際に表示されている場所に向かうと、確かに湧水が湧き出ている場所のすぐそばにほうれん草らしきものが。
それらを何束か回収して俺は、
「時間が短いから簡単に作れるものがいいな。おひたしにでもするか?」
「あ、それ好き。海苔の上にご飯を乗せて、ほうれん草のおひたしとマヨネーズを入れて海苔巻きにするとおいしいよ」
「……マヨネーズ万能説……でもカルフォルニアロールなんかも美味しかったな。お寿司とマヨネーズ関係は結構合う気がする。かにかまのサラダとか」
「あ~確かに。今度作ろうかな……やっぱり異世界に来ると和食が恋しくなるよね」
「そうだな。お寿司はいつも食べていたものではないが、やっぱり日本の食べ物が恋しくなる……」
そう話しながら後で作ってみようかといった話をしつつ、」次のタケノコを探す。
途中蛇のような魔物とも遭遇するが容易に倒せた。
そして歩いてくると竹林にやってくる。
ここのタケノコはどのようなものだろうと思っていると、魔力を感知して地面から即座に掘り起こすんだそうだ。
ちなみにタケノコ自体はあくがあまりなく、下茹でなどはしなくても食べられるものであるらしい。
手軽に料理できる材料だそうだ。
だが、魔力を探知してすぐに掘り起こす……という技は、俺達にはなかった。
やり方がよく分からないというのもあるが、どうやって掘り起こすのかというと、サラが足に魔法をかけて地面を蹴り上げて飛び出してくるタケノコを手に入れているようにしか見えなかったので、どう再現すればいいのか俺達にはわからなかった。
結局、タケノコ堀はサラにお任せすることになり、俺と百合で荷物持ち状態になっていたのだった。
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