61、何者かの視線
周りにくすぶっていた小さな火の残り火を凍らせることで消してもらう。
助かった、だが周りへの延焼が起こりやすいので、こういった森の中では使わない方がいいかもしれない。
だが俺が魔力を付加した剣と同じように一撃で倒せたのだからこのメリケンサックはなかなかなものなのかもしれない。
そのうち“魔族”との戦闘で……もし出会わなくてもいいなら出会いたくないが、使ってもいいかもしれない。
そう俺は考えながら落ちた透明な魔石を手に入れる。
これも売ればそこそこの生活費になるのだろうか?
だったら軽くて保存性もいいし持っていようと思ってポケットに入れておく。
それから振り返り百合に、
「さっきは助かった」
「いえいえ。この弓もなかなかの威力だったよ」
そういってうれしそうに弓を見せてくる百合。
役に立ってよかったと俺が思っているとサラとクレアが、
「とてもいい剣にしていただきありがとうございました」
「私もまさかここまで箒の威力があるとは。所で時々ソウジキなるものになるそうですが、どうすればなるのですか?」
「さ、さあ、俺はよく分からないです。あ、そういえば寿也、その剣はどうだった?」
俺はサラに詳しく、よく分からない変形について聞かれても答えられないためそう返す。
掃除機については知っているが、それがどういった過程を経て掃除機に箒が変わるのかが分からない。
そもそも全く別のもののような気がする。
だが魔法ではそういったとこともできてしまうのかもしれない。
謎のギミックに俺は深く考えないようにしようと決めた。
そこで寿也が、
「なかなか切れ味がよかった。炎の熱さも感じないし。これならばもしもの戦闘では使えそうだ」
「そうか、良かった。だがこの漢字ならそこそこ使えそうな武器を手に入れて俺が強化、という形でいけそうか」
そういった話をしていた所でサラが、
「ではそろそろ魔石も拾ったことですし更にキノコを採りましょう。お夕食前に手に入れたい」
そういわれて俺たちは歩きだしたのだった。
何者かの視線を背後に感じながら……。
こうして俺たちは更にキノコを収穫していく。
貴重品と言われているキノコ、“ハエルンデス”もすでに五本ほど収穫し、他のキノコも回収した。
エコバック内の袋にキノコも山盛りになっている。
「そろそろ俺は帰ってもいいのではと思うのですがいかがでしょうか」
そう提案するとサラが、
「まだ日暮れまでには時間があります。もう少し探してもいいのでは」
「……あ、あそこに開けた場所があるのでそこで、少し休みましょうか」
キノコにくるってしまったらしいサラの発言に俺はとりあえず休憩を提案した。
それに気になることもあったのだ。
だからその広場のような場所で俺は振り返り、
「さっきからどうして俺たちを追いかけてくるんだ?」
そう声をかける。
すると奥の方の木の影からある人物二人が姿をあらわした。
「さっきはよくもやってくれたな」
そういって先ほどのギルドにいた時に喧嘩を吹っかけてきた男たちが現れたのだった。
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