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60、魔物との戦闘

 すぐそばで何者かの気配を感じた。

 相変わらず周りは森の中であるため木がうっそうとして生い茂るものの、人影はない。

 人ではないかもしれない。


 気のせいでないのは、寿也や百合も反応している。

 とりあえずは現れた何者かに対抗するために俺は“選択画面”を呼び出した。

 森の中の戦闘であるため、今回は風系の魔法をすぐ打てるように用意しておく。


 このメリケンサックを使う機会はなさそうだ、そう思っているとそこで唐突に木の陰から、薄灰色の俺の二倍くらい身長のある虎のような熊のような何かが現れた。

 それを見てクレアが、


「あ、あれは、“グレータイガーグマ”」

「……変な名前ですね」

「名前に注目してはいけません! あれは魔力の大きい人間に襲い掛かる性質のある魔物ですよ! しかも凶悪で、魔族ほどとは言いませんが人に害があって冒険者十人がかりで一匹を仕留め……後に3匹も出てきた!」


 クレアが悲鳴を上げるのを聞きながらそこで俺は、


「それで今回渡した武器を使える機会だと思いませんか?」

「え?」

「とりあえずこちらである程度弱らせ、接近戦かな」


 そう俺が言うとクレアが驚いた顔をして、サラも珍しく楽しそうだ。

 とりあえず四匹に向けて俺は、風系の切り裂く攻撃をする。

 こちらに歩みが止まる程度の威力しかなかったようだ。


 再度攻撃しようとすると百合が四本ほど弓を持ちながら、


「早打ちの練習をしておいてよかった!」


 そういって百合が弓を構えて放つ。

 その矢は頭にどれも命中して、そこから氷が広がっていく。

 丸っと一体氷漬けにしてしまう威力だったのだが、


ピシッ


 氷が音を立ててひびが入り、割れる。

 うめくような猛獣の声が聞こえるが、動きはさらに鈍くなってはいるものの、まだ倒されていないようだ。

 そこでサラが走っていき一番手前の“グレータイガーグマ”を箒で上からたたいたかのように見えたのだが、


ザシュ


 そんな音がして、一刀両断されてしまう。

 小さなうめき声とともに、真っ二つにされたその“グレータイガーグマ”は黒い霧となって周りに霧散していく。

 消え去ったそれ相手にサラは、


「箒の威力が上がっています。この程度では物足りないくらいなんて、はあ」


 などとため息をついているところでさらに三匹がこちらに向かってくる。

 直接攻撃の方がまだ効果がありそうなので、


「俺も攻撃する。援護をよろしく。武器の技を試したい人は?」

「私もです」

「俺もです」


 クレアと寿也がそう答えたのでその三人で攻撃に向かう。

 そしてクレアと寿也が剣で攻撃し、サラのときと同じく軽々と一刀両断し、俺はというと、直接殴りつけてみることに。

 魔力を武器にこめてそのまま殴りつける。


 毛皮の柔らかい感触を感じたが次の瞬間、


ぐうおおおおお


 そんな声を上げながら魔物が声を上げて炎に包まれる。

 そしてそのまま霧のように霧散して、魔石を落とすのを確認したが……


「百合、火を消してくれ」

「わかった」


 そういって弓矢がその魔物の板周辺の炎がちらつく場所に落ちて、周囲を氷漬けにしたのだった。 





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