59、別のキノコも探すことに
こうして更に“ハエルンデス”という名のキノコを探すことに。
ただこうして探していてもいいのだけれど、どうせ探すのならば、
「この世界の食用キノコも採っていきたいと思うのですがどうでしょう? 道すがらそういったキノコがあったらとっていけば、とれたてのキノコが食べられますが」
そう俺が提案すると目がきらりとサラとクレア、そして百合の目が光った。
今の提案はそんな魅力的だったのだろうか、そう俺が思っているとそこで、クレアが、
「それは素敵なアイデアです。採れたてキノコを焼いたり煮込んだり、ド俺もおいしいんですよね」
「……なるほど、はい。ではそのキノコの種類はどんなものがいいですか」
そう答えるクレアとサラ。
黙って様子をうかがう百合。
だが俺に聞かれても異世界の食材には詳しくない。
元の世界でいう、香りマツタケ味シメジ、といったような慣用句や、よく料理に使うシイタケ、なめこ汁などにするなめこのようなキノコ……どんなものを説明すればいいのかと俺は少し考えてから、
「この世界で一般的に食べられるような美味しいものが探すと沢山採れていいのでは。できれば見た目もこういったカラフルでないものがいいか」
「なるほど、では、“モノダケ”“チャイロダケ”“キノコダケ”といったものがいいのでは」
サラがそう言って教えてくれた幾つものキノコの名前だが、最後の方の名前を何か聞き間違えた気がして、
「キノコだけ?」
「キノコダケです」
俺の問いかけにサラが当然のように答える。
俺たちにとっては変な言葉に聞こえるが、現地の人にはそれほど変な言葉には聞こえないのかもしれない。
だから追求せず、俺は探査のための画面を呼び出して、
「幾つものキノコを入力できるみたいだ。コンマで間を切って、“モノダケ”“チャイロダケ”“キノコダケ”と。……新しい画面が現れて凄い点の数が。この近くにもいくつかあるみたいだ。行ってみよう」
そういってそこから右側に数十歩入り込んだ木の根元に、沢山のキノコが生えている。
どれも茶色いものばかりだが、
「そちらの一番右端は毒キノコです。傘の部分に赤い色がついているのがそれです」
「あ、似ていて気付かなかったな」
さらに指摘されてそう答えるとサラが、
「こういったものには詳しいのです。それにその毒キノコは、すぐそばで振動があると“逃げ出し”ますから」
「逃げる?」
「ええ、例えばこうすると」
そういってそのキノコの前にサラが大きく音を立てて足を下すと。キノコが一本地面から抜けて逃げていく。
飛び跳ねながら近くの草むらに消えていった。
「このようになります」
「そう、ですか」
異世界の変わった生態系に俺はそう答えた。
とそこで百合がキノコを収穫する。
ポケットからエコバックのようなものが出てきてそれに入れているらしい。
とりながら嬉しそうに、何に料理できるかな~と言っている。
それを聞いていたクレアが、
「そういえばこういったキノコの異世界の味つけを、食べてみたいです」
「あ、この世界の味付けのものと交換しませんか?」
「いいですね、そうしましょう」
といったようにクレアと百合が楽しそうに話している。
それを聞きながら俺は、そういえばとれたての天然物のキノコは食べたことがないなと思いつつそこで、何かの気配を感じたのだった。
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