48、味を見る
出されたのはこの世界にある豆から作った豆乳だった。
薄く緑がかったもの、黄色みがかったもの、黒というか紫がかったものがある。
それぞれの説明をされたが、聞いた範囲によると、木になる大きなココナッツ? のようなものの中に大量に入っているタイプの豆や、土の中から掘り出す落花生のようなタイプ、そして俺達の知っているような形……だと思われる地上部で緑色のさやに入ってとれる豆の三つであるらしい。
それらは順番に、黒みがかった豆乳、黄色みが買った豆乳、緑が買った豆乳になるらしい。
そして少量ずつ飲んでみることに。
まずはこの黒みがかったものからだが、
「……独特の香り……濃厚? な豆の香りがするけれど、そこまできつくはないな」
「同じく」
そう思いながらも結構見た目に反していい香りがするなと俺は思う。
寿也もすぐに全部飲み干してしまった。
異世界だからどんな奇怪なものが出てくるのか不安ではあったけれど、そこまで癖の強い味ではなかった。
そこで百合が、
「やわらかい花のような香りがする。バラとかそういったものがかすかに香るような?」
「言われてみればそんな気もする。こういったものは俺、初めて飲んだかもしれない。美味しい」
「うん、美味しいね」
といったように百合と話していると、主人は自信ありげに笑っていた。
そしてさらに黄色と緑ががかったものを飲んでいくと、
「き、黄色みが買ったものは俺たちの世界でよく飲むような美味しい豆乳だが、緑の方は……」
「豆のにおいがきつすぎて、飲んでいるのかどうかわからなくなる。大量に豆を口いっぱいに放り込まれているような……みず……」
「これは……健康的なお味……」
黄色い方を飲んだ時は寿也も百合も普通で癖がなくて美味しいと話していたが、俺も含めて、緑色を飲んだ瞬間大変なことになった。
何しろ豆独特の臭みが数十倍にもなって口の中で炸裂するという……。
俺たちはあまりにきつかったため水を飲むことに。
ここの主人もこうなることを予測していたのか、一口だけ注いでおいてくれたのでたくさん飲まずに済んだのだが、俺たちの様子を見ていた主人が、
「いや~、異世界人の味覚も結構俺達と同じなんだな。このミドリが買った豆乳は、沢山のスパイスと合わせると非常にいい香りとうまみが出てくるんだ」
「そうですか……で、では次は甘味料をいただきます」
そういって俺たちは、ここに持ってこられた甘味料の味を見ることに。
三つほどこれもあったが、それぞれが赤青黄色という、着色料で色付けされた水あめか何かに見える。
それぞれが、果実の果汁を煮詰めたもの、植物の茎の煮汁を集めたもの、花の蜜を集めたものだそうだ。
それらを、実際に味を見てみると、
「この黄色いものが黒蜜に近い味がする。独特の苦みなんかも似ている」
そう俺がつぶやくと、他の二人も同じ意見だった。
また、青色のものが見た目に反して香りもあまりない、普通のシロップのような味がする。
そして赤い色のシロップは、百合が気に入ったらしい。
「柑橘系のオレンジのような香りがする。このシロップは好きかも。普通に投入に混ぜて飲みたいかな」
「なるほど、こういうのは女の子がすきそうか。あとで教えてやろう。……それで、混ぜたものを飲んでみるか?」
「ぜひ!」
とのことで百合がその黄色の豆乳にシロップを入れてもらっていて、俺たちも同じものをもらったのだった。
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