私の作りたい服【リネット視点】
服屋を始めて、もうすぐ一年。
十四歳で成人になり、両親からこの店を任された。
「今日もお客は私だけか」
自分の作った服を眺める。
……可愛いと思うんだけどな。
私の作る服は、昔から少し変わっているらしい。
「変わった服」「売れない服」なんて言われても、作り続けてきた。
……そろそろ潮時かな。
服を作るのは好きだけど、ある程度は売らないとダメだもんね。
「せめてこの服だけは完成させたいな……」
店の奥には、まだ完成していない紺色のワンピースが掛かっている。
自分でもかなり気に入っている。
でも、最後の仕上げがどうしても決まらない。
これが完成したら、もう普通の服を作ろうかな。
そう思い始めていたある日、その人と出会った。
店のドアが開いた。お客さんかな?
顔を上げた瞬間、目が服に釘付けになった。
凄い……!
なんて可愛い服。
思わず近くまで寄って見てしまった。
レースの使い方も、飾りの合わせ方も、私の知らないものばかり。
そうか。これなら……
ずっと決まらなかった最後の仕上げが、頭に浮かんだ。
……完成させられる。
その後、ミオさんのおかげで銀糸草も手に入り、服は無事に完成した。
「えっ……ミオさん、顔が……?」
一瞬、別人かと思った。
涼しげな瞳。
さっきまでの可愛らしい顔とは、雰囲気がまるで違う。
大人っぽくて、落ち着いた綺麗な顔立ち。
可愛い飾りを合わせても、今のミオさんならきっと似合う。
むしろ黒や紺、銀の飾りなんかは、すごく合いそう。
……ミオさん、本当に似合わないと思ってるのかな?
私には、とてもそうは思えなかった。
ゴスロリ。
可愛くて、少し変わっている。
それなのにちゃんと綺麗。
可愛いだけじゃなく、どこか格好よさもある。
私がずっと作りたかった服に、どこか近い気がする。
……もっと作ってみたい。
「それなら、今のミオさんに一番似合うゴスロリ服を、私に作らせてください!」
ミオさんは少し驚いたあと、笑ってくれた。
……良かった。
作りたい服が、また増えちゃったな。
………それにしても。
私の作ったワンピース、やっぱり可愛い。
もしかして私は天才?
今日も徹夜で研究しよう。




