↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル《撤収》しかない転生者、全員生還の冒険者ギルドを作る ~「逃げたら負け」の異世界ですが、命を持ち帰る俺たちが攻略率一位です~  作者: kaiくん
第六章 三都市大避難

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/71

第59話 無人の砦へ群れを誘う

目を覚ますと、仮設治癒所の寝台だった。

 丸一日眠っていたらしい。

「起きたなら、水を飲んでください」

 リゼが椅子に座っている。鎧は着たまま、目の下には疲れがあった。

「戦況は?」

「住民避難は完了。魔物の主群が河原へ向かっています」

 起き上がろうとすると、肩を押し戻された。

「今度は私の命令です。あなたは帰還網を使わない」

「でも――」

「皆で作った網です。あなたが倒れても動かせるようにしました」

 フィンが地図を持って入ってきた。

 作戦はすでに進んでいた。

 三都市から離れた旧国境砦へ、魔物が好む赤晶と餌を集める。アレクシスが主群を誘導し、無人の砦へ入ったところで門を閉じる。

 各都市の帰還灯操作員は、俺抜きで防衛隊の交代を行う。

「危険なら中止する条件は?」

「砦内に民間人が一人でも残っていた場合。誘導隊の負傷三割。帰還灯二基停止」

 俺が教えた形式で、フィンが答える。

 口を出す場所がない。

「分かった。ここで待つ」

 リゼがほっと息を吐く。

 夕方、遠話水晶からアレクシスの声が届いた。

「主群、砦内へ進入。誘導隊、全員撤収する」

 青い灯が順に光る。

 最後に勇者が帰還し、ドーガが遠隔楔を作動させた。砦の鉄門が落ちる。

 弓兵と魔術師が城壁の外から一斉攻撃を始めた。

 戦いは夜明けまで続いた。

 俺は寝台で報告を受け、必要な時だけ判断した。

 最後の魔物が倒れた時、帰還灯網は一度も止まらなかった。

 俺が現場にいなくても、全員が帰った。

 寂しさより、うれしさの方が大きかった。

---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。