第41話 王都からの招待状
招待状には、王家の銀獅子と凱旋教会の太陽、二つの封蝋が押されていた。
《王都セレスト救助競技会において、《帰還灯》の技術を披露されたし》
「招待というより命令だな」
俺が読み終えると、ドーガが鼻を鳴らした。
「教会の印まである。行けば見世物、断れば王命違反だ」
競技会は、王国一の冒険者を決める大祭の一部だ。剣術、魔術、迷宮討伐。その最後に、今年から救助部門が加えられた。
《帰還灯》の人気を王家は利用したい。
凱旋教会は、撤退を掲げる俺たちを公衆の前で笑いものにしたいのだろう。
「行きましょう」
リゼが即答した。
「罠かもしれない」
「だからこそです。私たちが断れば、救助は表舞台へ出られません」
ティナも招待状をのぞく。
「参加者は二名とあります」
「俺とリゼを指名してる」
誰か一人でも救助できると証明したい教会と、チームでなければ成り立たないと知る俺たち。最初から条件が違う。
その夜、共済会の代表を集めた。
留守中の救助体制、帰還点の管理、緊急時の指揮系統。俺は思いつく限りを書き出した。
「これ、何枚あるんですか」
フィンが紙の束をめくる。
「十九枚」
「多すぎます」
「少ないよりは――」
リゼが紙束を取り上げた。
「ユアン。王都へ行く前に、一つ訓練が必要です」
「何の?」
「あなたがいない時の訓練です」
翌朝、俺はギルド長の机から追い出された。
王都へ出発するまでの三日間、倉庫で指示を出すことを禁じられたのだ。
俺にとって競技会より難しい試験が始まった。
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