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外れスキル《撤収》しかない転生者、全員生還の冒険者ギルドを作る ~「逃げたら負け」の異世界ですが、命を持ち帰る俺たちが攻略率一位です~  作者: kaiくん
第四章 冒険者ギルドとの戦い

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第40話 冒険者本部長の失脚

公開審問で、バルガスは最初から勝った顔をしていた。

「記録水晶は複製できる。帳簿は盗品。迷宮で拾った依頼書など、誰でも作れる」

「では、証言を聞いてください」

 最初にエマが立った。

 俺が崩落を予測し、三度撤退を求めたこと。治癒院で証言を止められたこと。

 次に赤晶鉱山の二十三人。帰還点を会社の衛兵が破壊し、支柱が切られていたこと。

 南区の住民は、正規救助隊が来なかった時間を証言した。

 バルガスは一人ずつを嘘つきと呼んだ。

「臆病者どもが、失敗の責任を本部へ押しつけているだけだ!」

「責任なら、俺にある」

 最後にガレスが壇上へ上がった。

 英雄の姿しか知らない群衆がざわめく。

「ユアンの撤退命令を拒んだのは俺だ。ロルフとセシルが死んだ責任も、俺にある」

 ガレスは金獅子の徽章を外し、机へ置いた。

「だが最初の崩落は、中央本部が深部採掘を隠すために起きた。この刻印板と依頼書を、俺は現場で見た」

 マルコが各都市の商人組合から届いた照合結果を示す。刻印番号は本部の出納記録と一致していた。

 さらに、本部職員の一人が立ち上がった。

「私が帳簿を改ざんしました。本部長の命令です」

 一人が声を上げると、二人、三人と続いた。

 もうバルガスは全員を黙らせられない。

「冒険には犠牲が必要だ!」

 彼は机を叩いた。

「魔石がなければ都市の灯りも、騎士の武器も止まる! 価値の低い新人を使って何が悪い!」

 広場が静まり返る。

 自分で最後の証拠を口にした。

 王国監察官が壇上へ上がり、バルガスの両腕へ拘束具をはめた。

「本部長職を解き、横領、危険度偽装、救助妨害の容疑で拘束する」

 連行されるバルガスは、俺を睨んだ。

「逃げることを認めれば、冒険者は弱くなるぞ」

「生きて訓練する者の方が強くなる」

 審問から一週間後、《帰還灯》の立入停止は撤回された。

 中央本部の監督を受けない、独立救助ギルドの認可状も届いた。

 倉庫の壁へ認可状を掛ける。

 リゼ、ティナ、フィン、ドーガ、ハンスたち。そして救われた人々が見守っていた。

 追放への決着はついた。

 けれど、帳簿に記された《凱旋教会》への魔石搬出だけは、最後まで理由が分からなかった。

 その答えは、王都から届いた一通の招待状とともに近づいていた。

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