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外れスキル《撤収》しかない転生者、全員生還の冒険者ギルドを作る ~「逃げたら負け」の異世界ですが、命を持ち帰る俺たちが攻略率一位です~  作者: kaiくん
第四章 冒険者ギルドとの戦い

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第39話 新人使い捨ての帳簿

赤晶鉱山の帳簿。

 エマの記録水晶。

 ガレスが持ち帰った依頼書と、中央本部の刻印板。

 三つを重ねると、バルガスの仕組みが見えた。

 中央本部は、未調査の迷宮区画を実際より低い危険度で登録していた。銅級や新人へ採取依頼として紹介し、その後ろから秘密の採掘隊を入れる。

 新人が生還すれば安全性の実績になる。

 死ねば「予測不能な迷宮変動」で処理する。

 採れた希少魔石は帳簿外で売却し、一部を凱旋教会へ渡していた。

「亡くなった方の一覧です」

 フィンが名簿を広げる。

 三年間で百四十二名。

 ほとんどが銅級、孤児、借金を抱えた者。救難鐘が鳴っても、低報酬を理由に救助が遅れた。

「地下三層の子どもたちも、その一つだった」

 俺の声が震えた。

 トトが依頼に来なければ、彼らも数字になっていた。

 リゼが拳を机へ置く。

「公開しましょう」

「本部は資料を偽物だと言う」

「証人がいます」

 エマとガレス、鉱山の二十三人。南区の六十四人。

 マルコは商人組合を動かし、資料の写しを各地へ送った。一か所で没収されても消せないようにする。

 翌朝、中央本部は俺たちを《虚偽情報による組織扇動》で告発した。

 同時に、バルガスは公開審問の開催を発表した。

「大勢の前で我々を潰すつもりです」

 ティナが不安そうに言う。

「逆だ」

 ドーガが髭を撫でた。

「大勢の前でしか、あいつは潰せん」

 審問当日。

 中央広場には入りきらないほどの人が集まった。

 バルガスが高壇から告げる。

「冒険者の勇気を否定し、恐怖を広める《帰還灯》の罪を、今日ここで明らかにする!」

 俺は百四十二名の名簿を持って壇上へ上がった。

「明らかにするのは、こちらです」

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