表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル《撤収》しかない転生者、全員生還の冒険者ギルドを作る ~「逃げたら負け」の異世界ですが、命を持ち帰る俺たちが攻略率一位です~  作者: kaiくん
第四章 冒険者ギルドとの戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/71

第35話 商人は命を担保にする

「無期限の資格剥奪と、銀貨五百枚の罰金を求める」

 監査官が処分書を読み上げる。

 南区の広場には、救出された住民がまだ大勢残っていた。

「人命救助でした」

「立入停止命令を破った事実は変わらない」

「中央本部の救助隊はいつ来る予定だった?」

「調査後、適切な時期に――」

「今来たぞ!」

 群衆の後ろから声が上がる。

 正規救助隊が到着したのは、六十四人を救出して一時間後だった。

 住民の怒号に、監査官がたじろぐ。

 そこへ隊商主マルコが進み出た。

「罰金五百枚だったな」

 彼が指を鳴らすと、商人たちが銀貨袋を積み始めた。

「百二十」「うちは八十」「南市場組合から百」

 あっという間に、机の上へ五百枚が並ぶ。

 俺は慌てた。

「待ってください。こんな金は受け取れない」

「お前にやるのではない」

 マルコは監査官を見た。

「我々は《生還共済》へ投資している。救助組織を潰されれば、荷主と働き手の命が危険にさらされる。その損失を防ぐ経費だ」

「中央本部への反抗と見なすぞ」

「本部の規則は商取引より上かもしれん。だが、助けられた六十四人の証言より上ではない」

 救出された少女が、監査官へ言った。

「この人たちが来なかったら、お母さんは死んでた」

 母親も前へ出る。

「命令を守った人は、一人も地下へ来ませんでした」

 監査官は処分書を畳んだ。

「正式審問まで判断を保留する」

 逃げるように去っていく。

 俺はマルコへ頭を下げた。

「必ず返します」

「勘違いするな。次にうちの隊商が遭難した時、全員帰せ。それで十分だ」

 《帰還灯》はもう、五人だけのギルドではなかった。

 その日の夕方、一人の女性が杖をついて倉庫を訪れた。

 歩き方にはまだ硬さがある。けれど、見間違えるはずがない。

「エマ……」

 《金獅子》から一緒に帰った魔術師が、目の前に立っていた。

---


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ