↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル《撤収》しかない転生者、全員生還の冒険者ギルドを作る ~「逃げたら負け」の異世界ですが、命を持ち帰る俺たちが攻略率一位です~  作者: kaiくん
第四章 冒険者ギルドとの戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/71

第34話 無許可の出動

南区の地下は、生活の跡と迷宮が混ざり合っていた。

 台所の壁から青黒い石が生え、廊下の先が本来ない階段へつながっている。

「迷宮化は西から広がっています」

 フィンが地図へ線を引く。

「人の多い共同倉庫は東。先にそちらです」

 ドーガが点検口の内側へ移動式帰還灯を固定した。俺が紋を刻み、第一帰還点にする。

 共同倉庫では、三十七人が家具で入口を塞いでいた。

 向こう側で、小型の岩鼠が壁を削っている。

「助けに来た! 開ける前に、帰還同意を取る!」

 一人ずつ名前を聞く余裕はない。世帯単位で仮登録し、救助札を配る。

「最初の十二人、子どもと負傷者から!」

 青い光で第一陣を送る。

 再使用まで十二分。

 その間にリゼとハンスたちが入口を守り、ティナがけが人を選別する。フィンは次の住居への道を探した。

「北廊下は三分後に塞がります。床の音が変わった」

「全員、南へ移動!」

 最後の人が廊下を抜けた直後、天井が落ちた。

 二回、三回と帰還を繰り返す。

 地上の帰還点では、住民たちが自発的に点呼と炊き出しを始めていた。訓練へ通った子どもたちが、負傷者を治癒所へ誘導する。

 残りは、最初に救った少女の母と弟を含む七人。

 西側の住居に閉じ込められている。

 迷宮化した通路へ入ると、壁そのものが脈打っていた。

「ここから先は中央本部の定義でも迷宮です」

 フィンの声が震える。

「戻るか?」

「怖いです。でも道は見えます」

 彼の指した壁際だけ、石の色が薄い。

 リゼが盾を前に出し、ドーガが壁を補強しながら進む。

 七人は行き止まりの小部屋にいた。

 母親が子どもを抱きしめ、こちらを見て泣き崩れる。

「地上で娘さんが待っています」

 帰還同意を取る。

 俺たちを含め十一人。

 青い光が広がった時、背後の通路が完全に閉じた。

 地上へ戻ると、少女が母親へ飛びつく。

 点呼結果、六十四名。

 欠員ゼロ。

 そして地上では、処分書を手にした監査官が待っていた。

---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。