表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
外れスキル《撤収》しかない転生者、全員生還の冒険者ギルドを作る ~「逃げたら負け」の異世界ですが、命を持ち帰る俺たちが攻略率一位です~  作者: kaiくん
第四章 冒険者ギルドとの戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/71

第31話 卑怯者ランキング一位

攻略率一〇〇パーセントの記事が出た翌日、《帰還灯》の前には行列ができた。

 加入希望者ではない。

 見物人だ。

「本当に逃げるだけで金がもらえるのか?」

「撤退回数も王国一位らしいぞ」

 軒先の看板を指さして笑い、青い灯を背景に記念絵を描かせる者までいる。

 ドーガが大槌を持って外へ出ようとしたので、俺とフィンで止めた。

「看板を直すだけだ」

「見物人の頭でか?」

「新しい看板が必要になりますね」

 ティナまで真顔で言う。

 リゼだけは窓口に座り、淡々と登録作業を続けていた。

「笑われても加入者は増えています。《生還共済》は三百二十七名です」

「気にならないのか?」

「騎士団を追われた日よりは、ずっとましです」

 そう答えた直後、外から聞き慣れた声がした。

「おい、臆病者の盾騎士。今度は子どもに逃げ方を教えているのか?」

 酒場でリゼを囲んでいた元同僚たちだ。

 ハンスが立ち上がる。

「俺たちは臆病者じゃない!」

「いい」

 リゼが制した。

 彼女は騎士たちの前へ出る。

「先月、北部騎士団の負傷者数は?」

「何?」

「遠征三回で重傷七、死者二。撤退訓練は実施しましたか」

 騎士たちが黙る。

「《帰還灯》は依頼六件、死者ゼロです。卑怯者ランキングがあるなら一位で構いません。生還者の数も一位を目指します」

 見物人の間から拍手が起きた。

 最初は一人。次に、鉱山から帰った採掘夫たち。救出した子どもの家族。《生還共済》の商人。

 騎士たちは何も言わずに去った。

 リゼが戻ってくる。

「格好よかったぞ」

「手が震えています」

 机の下で握った拳が、確かに小さく震えていた。

「それでも言えた」

「はい」

 午後、今度は笑わない客が来た。

 中央本部の監査官三名。

 先頭の男は封蝋付きの書面を開いた。

「《帰還灯》に対する特別監査を開始する。本日より、全迷宮への立入を停止せよ」

---

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ