第28話 三度逃げる攻略法
一度目の撤収で、鉱山主が死者の魔力を吸うことが分かった。
二度目は、倒すためではなくつながりを切るために入った。
フィンが赤晶の流れを地図へ写し、ドーガが主要な晶脈へ楔を打つ。アレクシスは鉱山主を深部へ引きつけ、リゼが作業員を守る。
「三分経過! 撤収!」
一本目の晶脈を切り、全員で仮帰還点へ戻った。
「あと四本あります」
フィンが地図を広げる。
アレクシスは不満そうだ。
「続けて切ればいい」
「《撤収》の再使用は十四分後。晶脈を切るたび、鉱山主の動きも変わる。一度確認する」
「慎重すぎる」
「三人死んだあとだ」
それには反論しなかった。
二度目の進入。
鉱山主は中央路を塞ぎ、最初の配置から動いていた。昨日の情報を信じて突っ込んでいれば、挟まれていた。
フィンが新しい経路を指す。
「右の保守穴から二本目へ行けます」
ティナは戦闘に参加せず、全員の呼吸と傷を確認する。ドーガが楔を打ち、晶脈が砕けた。
撤収。
戻るたび、地図へ情報が増える。相手の速度、攻撃範囲、赤晶が再接続するまでの時間。
三度目の進入で、最後の晶脈へ着いた。
「これを切れば再生は止まる」
だが楔を打つ前に、鉱山主が壁を破った。
学習している。
アレクシスが前へ出た。
「今度は倒していいんだな?」
「まだだ。核が甲殻の下に隠れている」
「なら、剥がす」
金雷が走り、赤晶の甲殻を焼いた。
リゼが突進を盾でずらし、露出した腹部を押し上げる。ドーガの楔が最後の晶脈を断つ。
傷口が閉じない。
鉱山主の胸に、黒い核が現れた。
「次で終わらせる」
俺が言うと、アレクシスが苦笑した。
「四度目も逃げるのか」
「帰って準備する」
今度は彼も、迷わず帰還光の中へ入った。
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