表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜更けのルミエール〜花と珈琲を愛する年下の店主が淹れるハーブティーは、忘れかけていた恋の味がした〜  作者: 寝不足魔王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
35/70

第35話:甘い綻びの先にある、確かな約束

お読みいただきありがとうございます。

第2部、ついに完結です。

紆余曲折を経て、ついに将来への「約束」を交わした二人。

大人の恋が、一つの完成形を迎える瞬間を見届けていただければ幸いです。


 引越しの荷解きが半分ほど終わった土曜日の夕暮れ。瀬尾さんに誘われ、私たちはマンションの屋上庭園へと向かった。

 代々木上原の街並みの向こうに、燃えるような夕日が沈んでいく。


「志保さん。今日、ここに来たのは、あなたに伝えたいことがあったからです」


 瀬尾さんは柵に手をかけ、遠くを見つめながら語り始めた。

 それは、店を大きくすることでも、かつての証券マンに戻ることでもなかった。


「僕はこれから、この場所——『Lumière』を、志保さんのような働く人たちが、自分を取り戻せる場所にしていきたい。そして、その場所を守りながら、僕は一生、あなたを一番近くで支え続けたいと思っています」


 彼は私に向き直り、ポケットから小さな箱を取り出した。

 中に入っていたのは、派手な宝石ではなく、シンプルで重厚なシルバーのリングだった。


「これは、契約や縛りではありません。志保さんがどこまで高く飛んでも、帰ってくる場所は僕の隣だという『約束』の印です」


 私は震える指でそのリングを受け取った。

 三十八歳。もう人生に新しい「約束」なんて現れないと思っていた。

 傷つくのが怖くて、一人でいる方が楽だと自分に言い聞かせてきた日々が、遠い過去のように感じる。


「……瀬尾さん。私、あなたを信じて良かった。綻びだらけの私を見つけてくれて、ありがとう」


 彼が私の薬指にリングを滑り込ませる。その銀色の輝きは、夕日を反射して、私たちのこれからの道を照らしているようだった。

 

 完璧じゃなくてもいい。若くなくてもいい。

 ただ、この温かな鼓動を分かち合える人がいる。

 私たちは深い接吻を交わし、オレンジ色に染まる街をいつまでも眺めていた。

 

 甘い綻びを越えた先に待っていたのは、何よりも強くて優しい、二人の新しい現実だった。


第2部「甘い綻びと戸惑い」を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!

仕事の危機、宇佐美の襲来、そして自分自身の不安……それらを乗り越えたからこそ、この指輪の重みが志保の心に響きます。


物語はいよいよ第3部「大人の恋のハードル」へ。

同棲生活の始まりと共に、さらなる現実的な問題(親の問題、海外転勤、将来の形)が二人に立ちはだかります。


「二人の幸せをもっと見たい!」と思ってくださる方は、

ぜひ【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークをお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ