9 レストランの食事
「枕投げ大会、楽しかったね!」
「うん⋯⋯」
あのあと、夜が明けるまで投げあい続けていた。今日が日曜だから良いが、眠くて仕方がなかった。
「お姉ちゃんは眠くないの?」
「元気もりもり!」
「すごいね⋯⋯」
正直今すぐ寝たかった。だが、まずは昼ご飯を作らないといけない。遅い時間に起きたので、まだ朝ご飯はぬきだったからお腹が空いていた。美花は、はぁー、と息を吐き、キッチンへ向かう。料理の道具を出そうとして、あることに気がついた。
「ねえ、お姉ちゃん? 昼ご飯、たまには買っても良くない? ずっと自炊だし」
「えー、いいけど、みはなちゃんのご飯食べたいな」
(なんか彼氏みたい⋯⋯)
思わずそう思わずにはいられなかった。ちなみに、美花に彼氏ができたことはないので、勝手な想像だった。
「でも手間かかるんだよ、作るの」
「ほら、でも、私も作れるし!」
お姉ちゃんに任せなさい!といいながらドーンと胸を叩く美穂。
(お姉ちゃんが一番心配だなあ)
美花は苦笑いしながらコートを着た。微笑んで誘う。
「今日は外食にしない?」
がやがやとするレストランに、二人は来ていた。
「何名様ですかー?」
「えっと、二名様です」
カタコトになりながら言う美穂。まるで始めてきたかのようにぎくしゃくしている。
「ここ?」
「うん。美味しいとこだよ」
「みはなちゃん、何言ってるの!? どのレストランも美味しいよ!」
(いい奴)
笑いながら心のなかで褒め称える。
レストランはかなり混んでいたが、しばらく待っていたら呼ばれたので席に案内されて、注文を始めた。
「みはなちゃんどれがいい? 私はハンバーグにしようかなぁ」
「じゃあ私もそれで」
注文を終えると、二人は食べ物が来るまで話していた。
「でねー? その子は、私を見て、びっくりしてて! 何でかと思ったら、私の顔に墨が全部ついててー」
「それはやばいねー」
二人で会話するのは、いつも通りで、楽しかった。
「えー、こちらがハンバーグになります」
「ありがとうございます」
美穂はハンバーグを受け取ろうとする。そして、手をすべらせて落っことした。
「あっ!」
その時、美花がさっと手を出して受け止めた。お皿も割れることなく、料理が飛んでいくこともなく無事にキャッチした美花は思った。
(前もこういう事あったから、一応と思って構えといてよかった)
美花はふう、と息を吐いた。
美穂は何が起きたか理解できずに呆然としていた。
「ハンバーグ美味しかったねー」
「そうだね」
(こぼさなくてよかったなぁ⋯⋯)
美花はしみじみとそう思っていた。
「明日からまた学校だけど、頑張ろうね!」
「⋯⋯うん」
美穂のせいで余計なことを思い出してしまった。亜美菜との関係を、いい加減なんとかしないといけない。
「じゃあ、家に帰ろうね!」
歩いてきたので、歩いて帰る。
話しながら帰るのは、かなり楽しかった。
「おはよーう!」
やけに元気な声で美穂が言った。
「うん、おはよ」
「ねえねえみはなちゃん、お花飾ったの!」
「ちょちょちょ」
よく見ると、花瓶ではなくコップを使っている。しかも、美花のお気に入りのコップだった。
「それコップだよ? こっちの使いなよ」
「あっ、ほんとだー! みはなちゃんありがと!」
いつも通り飛びついてくる美穂。転びそうになり、花瓶を割りそうになった。
「じゃあ、学校に行こうね」
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