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神様の身代わり ―光の兄と、罪の妹―  作者: FERILU
第30章:三校激突! 合同交流戦

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即席ペアの再出発

陽太と紫苑女子の部長・井尻さんとのやり取りを終えた私は、心に新たな活力をチャージして本部席へと戻った。


「美咲! 記録係の件でね、紫苑女子の皆さんも手伝ってくれることになったんだよ!」


運営のスケジュール表を確認していた美咲が、パッと顔を上げて嬉しそうに微笑んだ。


「本当? それはすごく助かるね、みゆ! 撮影のデータがあれば、後でみんなで反省会もしやすいし……あ、そういえばみゆ、次の第7試合の対戦表、もう確認した?」


「えっ、まだ見てなかった! 私の2試合目、誰と組んで誰と対戦するの?」


美咲に手渡された最新の組み合わせ表を覗き込むと、第7試合の欄に自分の名前と、次なるパートナー、そして対戦相手の名前が綺麗に記されていた。


第7試合

* 水瀬みゆ(星和2年)& 望月実咲(修徳館1年) vs 岡崎彩乃(修徳館2年)& 桐島薫(紫苑女子2年)




「 パートナーは修徳館1年の望月さんか! そして対戦相手は、修徳館の岡崎さんと、紫苑女子のダブルス主力である桐島さん……!」


なかなかに手強い相手の名前が並ぶカードに、武者震いするような興奮が胸の奥から湧き上がってくる。美咲も「修徳館の望月さんは第2試合で良いフットワークしてたしね、対戦相手の桐島先輩は隙のない強敵だよ。でも、みゆなら絶対にいい試合ができる!」と力強く背中を押してくれた。


「うん、頑張ってくるね!」


私は気合いを入れ直すと、第7コートの脇でアップを始めていた修徳館1年の望月実咲さんのもとへと駆け寄った。


「あの、望月さん! 次の第7試合、一緒にペアを組む水瀬みゆです。よろしくお願いします!」


声をかけると、望月さんは少し緊張した面持ちで「あ、水瀬先輩……! よろしくお願いします!」と慌てて頭を下げた。修徳館のジャージをまとい、黒髪をきゅっと結んだ真面目そうな1年生だ。第2試合ですでに1試合を戦っているとはいえ、星和の2年生である私と組むのは緊張しているのかもしれない。


私は柔らかく微笑みながら、リラックスしてもらえるように話しかけた。


「さっきの第2試合のプレイ、遠くから見てたよ。すごくフットワークが軽くて、ボールへの執念が素敵だった!」


「ひ、光栄です……! でも、先輩みたいに上手く立ち回れるか、ちょっとドキドキしちゃって……」


ほっと息を吐いた望月さんが、正直な胸の内を明かしてくれる。その姿がどこか先ほどの自分と重なって、私はなんだか親近感を覚えた。


「大丈夫だよ! 試合前にお互いの得意なことや、どう動きたいかを確認し合えば、即席ペアだって絶対に息は合わせられるから!」


「はいっ、お願いします!」


そこから私たちは、コートの隅で短い作戦会議を始めた。


「私は普段、状況に合わせて柔軟に動くオールラウンダーをやってるよ。望月さんは、後ろからのストロークと前への出足、どっちが得意?」


「私は……どちらかというと、ベースラインからの粘り強いストロークと、タイミングを合わせたロブで相手を揺さぶるのが好きです。でも、チャンスがあれば前にも詰めていきたいです!」


「それ、すごくいいプレイスタイルだね! じゃあ、基本は望月さんが後ろでしっかり配球を組み立てて相手を動かして、もし相手が崩れて浅い球が返ってきたら、私が前や中間ポジションから仕掛ける形にしようか。もちろん、ラリーの中で立ち位置が入れ替わったら、お互いにカバーし合えばバッチリだよ」


私の提案に、望月さんはパッと目を輝かせた。


「はい! 相手の岡崎先輩は修徳館の先輩で、ストロークがすごく重いんです。それに紫苑女子の桐島先輩はボレーの技術が高くて隙がないので……私たちが主導権を握るためには、しっかりラリーを繋いで焦らせることが大事だと思います」


「さすが望月さん、対戦相手の分析もバッチリだね。その調子で行こう!」


お互いの意思疎通がしっかりと取れたことで、望月さんの顔から不安の色が消え、頼もしい挑戦者の表情に変わっていた。


「よし、そろそろ第7試合のコート入場のアナウンスが始まるよ。望月さん、思いっきり楽しんでいこうね!」


「はい、水瀬先輩! 精一杯頑張ります!」


私たちは力強くハイタッチを交わすと、新たな相棒と共に、熱気の立ち込めるコートへと足を踏み出したのだった。


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