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神様の身代わり ―光の兄と、罪の妹―  作者: FERILU
第30章:三校激突! 合同交流戦

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開会式と、託される未来

全コートの準備が整い、星和学院のテニスコートには星和、修徳館、紫苑女子の3校、総勢39名の選手たちが美しく整列していた。


本部前には、星和を引っ張る2年生メンバー──私(水瀬みゆ)、部長の美咲(松本美咲)、ダブルスでさらなる進化を遂げた奈緒(田中奈緒)と莉奈(星野莉奈)、そしてチームを支えるさくら(高橋さくら)やまゆ(伊藤まゆ)の姿があった。その後ろには、この冬でめきめきと実力をつけてきた1年生のひかり、結衣、美樹、穂花、佳奈、舞たち7名が、緊張しつつも真剣な眼差しで背筋を伸ばしている。


「みんな、改めて本日は星和学院へようこそ!」


美咲が本部前から凛とした声で語りかけると、コート全体の空気がキュッと引き締まった。


「今日の交流戦は、決められた対戦表通りに戦うだけではありません。全8コートをフルに活用して、みんなが自由にエントリーして成長し合える【4つの特別ルール】を用意しました!」


美咲が手元のボードを示しながら、本日のルールをハキハキと説明していく。


1. エントリー制トーナメント(シングルス・ダブルス):実力を試し合いたい選手が自由にエントリーして頂点を競う本格トーナメント。

2. 勝ち抜け交代制コート:勝者が残り、挑戦者が次々と挑む勝ち抜き形式。

3. くじ引きランダムマッチ:学校の垣根を越え、組むペアも対戦相手もくじ引きで決定するシャッフル形式。

4. 選手指名真剣勝負:「この人と戦いたい!」と直接指名して申し込む1対1のタイマン勝負。


「勝ち負け以上に、お互いの力をぶつけ合い、春に向けて最高の刺激を得るための交流戦です。1年生も2年生も、自分の課題に合わせて積極的にコートへ飛び込んでください!」


「「「はいっ!!」」」


3校の選手たちの威勢の良い返声が、澄み渡る冬の空に弾けた。


説明が終わると、修徳館の部長・奥村絵里(おくむら えり)さんがニッと力強い笑みを浮かべ、まっすぐに美咲のもとへ歩み寄ってきた。修徳館の漆黒のユニフォームを纏う奥村さんは、圧倒的な存在感を放っている。


「松本さん。さっそくなんだけど……『選手指名真剣勝負』の権利、私が一番乗りで使わせてもらってもいいかな?」


「奥村さん……!」


奥村先輩の瞳に宿る熱い光に、周囲の部員たちから息をのむ気配が伝わってくる。奥村さんは修徳館の最高学年である3年生であり、先の有明でのブロック大会で美咲がタイブレークの末に惜敗した因縁の相手だ。


「実はね、私は修徳館高校への内部進学が早々に決まったから、最後までこうして後輩たちとテニス部に残っていたんだ。でも……今日のこの交流試合を最後に、次の部長を指名して引退するつもりなんだよ」


「あっ……! そうか、奥村さんは、3年制ですもんね、今日で打ち納めですか……!?」


美咲が目を見開く。奥村さんは後方の修徳館メンバー──特に副部長の志村葵さんたち2年生へ優しい視線を送ったあと、再びまっすぐ美咲を見つめた。


「後輩たちに最後の背中を見せて引き継ぐためにも、そして私自身の決着のためにも……全国準優勝を果たして、もっと強くなった今の松本美咲と、もう一度本気で打ち合いたい。あの有明の続きを、今日ここでやろう!」


奥村さんの熱い思いと言葉に、美咲の胸の奥にも激しい炎が打ちつけられた。前回の大会で惜敗し、悔しさを糧に血の滲むような練習を重ねてきた美咲にとって、これ以上ないラストマッチの舞台だった。


美咲は驚きを吹き飛ばすように胸の前でキュッと拳を握り締め、覚悟に満ちた力強い笑みを返した。


「……奥村さん! 最後の相手に私を選んでくださって、本当にありがとうございます! 私も、今日一番にコートで向き合うのは奥村さんしかいないと思っていました。全力で、挑ませていただきます!」


「よーし、決まりだ! 第1コートで1セットマッチ、お互い一切手抜きなしで行くよ!」


二人がバチバチと視線を交わし合う横で、奈緒と莉奈も気持ちを高ぶらせる。


「美咲、すごい真剣勝負になったね……! 私たちも紫苑女子の井尻さんたちのダブルスに指名対戦申し込んでこようよ!」


「うん! くじ引きランダムマッチも楽しそうだし、今日は全コートで熱い試合がたくさん見られそうだね!」


それぞれの選手が目当てのコートへと散っていき、受付エリアにはエントリー希望者の列ができ始める。


「それじゃあ、全8コート開放! 交流戦、開始!」


美咲の号令とともに、コートのあちこちで一斉にボールが跳ね、甲高い打球音が重なり合って響き渡った。星和学院、修徳館、紫苑女子──3校39名の熱き挑戦の1日が、ついに幕を開けたのだった。


3校合同交流戦 出場選手一覧(全39名)


■星和学院中等部(13名)

---2年生(6名)---

松本(まつもと) 美咲(みさき) - 部長

水瀬(みなせ) みゆ - 主力エース

田中(たなか) 奈緒(なお) - ダブルス主力

星野(ほしの) 莉奈(りな) - ダブルス主力

高橋(たかはし) さくら

伊藤(いとう) まゆ

---1年生(7名)---

佐々木《ささき》 ひかり

小野寺(おのでら) 結衣(ゆい)

渡辺(わたなべ) 美樹(みき)

加藤(かとう) 穂花(ほのか)

斉藤(さいとう) 佳奈(かな)

木村(きむら) 舞(まい)


■ 修徳館中等部(13名)

--- 3年生(1名)---

奥村(おくむら) 絵里(えり) - 部長・エース(内部進学確定・今大会で引退)

---2年生(5名)---

志村(しむら) 葵(あおい) - 副部長(次期部長候補)

菅原(すがわら) 凛(りん)

坂本(さかもと) 千尋(ちひろ)

岡崎(おかざき) 彩乃(あやの)

永井(ながい) 萌香(もえか)

---1年生(7名)---

服部(はっとり) 詩織(しおり)

辻(つじ) 瑠璃子(るりこ)

原田(はらだ) 琴音(ことね)

関口(せきぐち) 乃愛(のあ)

長谷川(はせがわ) 楓(かえで)

市川(いちかわ) 陽菜(ひな)

望月(もちづき) 実咲(みさき)


■ 紫苑女子中学校(13名)

---2年生(6名)---

井尻(いじり) 舞(まい) - 部長・ダブルス総帥

藤堂(とうどう) 真央(まお) - 副部長

神谷(かみや) 詩乃(しの) - シングルス主力

桐島(きりしま) 薫(かおる)

浅井(あさい) 結月(ゆづき)

橘(たちばな) 美羽(みう)

---1年生(7名)---

白石(しらいし) 琴乃(ことの)

矢野(やの) 沙耶(さや)

栗原(くりはら) 日和(ひより)

早川(はやかわ) 紬(つむぎ)

樋口(ひぐち) 咲良(さくら)

新島(にいじま) 茜(あかね)

瀬戸(せと) 莉子(ろこ)


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