新式銃の使い方
「それで、俺たちの力で、どうやって幕府軍と戦うっていうんだ?
いくら力が衰えたとはいえ、それでも圧倒的な戦力差があるぞ。」
俺は、力士たちを秘密の武器庫に招いた。
その中にある、木箱を開ける。
中には、イギリスから購入した新式銃が入っていた。
ついでに俺は、短銃【いわゆる拳銃、ピストルのこと】を、ふところから取り出した。
「こいつで、幕府軍と戦うんだ。」
さっそく、新式銃の使い方の練習をするところから始める。
ダーン!
「すげえな、鉄板も撃ち抜くぞ。これなら、敵の甲冑も撃ち抜ける。」
鉄砲は、1543年に種子島に伝来し、火縄銃が戦国時代から使われてきたが、天下泰平の世になってからは、ほとんど実戦で使われることは無くなっていた。
以降、そのまま戦国時代からの火縄銃のまま、幕末まで迎えたわけだが、その間に、欧米列強は、新式銃の導入が進んでいた。
日本もこれから、この新式銃の導入を進めていかなければならないようだ。
俺が伊達に、物見遊山のためだけに留学に行っていたと思うか?
欧米列強の事情も、きちんと見てきているんだ。
なんたって、あと20年もすれば、俺は本当に、この国の頂点に立ち、リーダーシップを発揮している、ということになっているのだから。
射撃訓練とともに、隊の規律を守ることは、特に熱心に教えられた。
また、欧米列強では大砲もまた、今までのものとは比べ物にならなくなっていた。
これなら、江戸城の天守まで砲弾が届くかもしれない、と思ったが、江戸城の天守は、明暦の大火で焼けてしまっているので、実際には本丸御殿、というところか。
江戸城には行ったことは無いが、あそこは、今、城にいるのか、城下町にいるのか、わからなくなるくらい、城内が広いという情報を聞いたことがある。
そんな中、八月十八日の政変で、京の都を追われていた公卿の三条実美が、長州に来ているとの情報を聞きつけ、会いに行くことにした。
三条実美は、その後も何かと俺たちに助言を与えてくれる存在になった。




