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奇兵隊 力士隊

伊藤博文は若い時、高杉晋作の奇兵隊の一つの部隊である力士隊を率いていた、という話がある。


密航留学からの帰国後、高杉晋作から誘いを受けた。

「おぬし、奇兵隊に入らないか?」

いきなり何を言い出すのか、と思ったが、ここはあえて、話に乗っかることにした。


奇兵隊は、身分を問わず誰でも入隊できる志願制で、実力主義、力量重視、規律を重んじるという。

西洋式の新式銃による軽装歩兵部隊で編成される。

「本当に、町人でも農民でも、志願すれば誰でも入れるのだな?」

さっそく、志願する者を探してくれと依頼を受けた。

着いた先は、相撲部屋だった。


相撲部屋の力士たちは、相撲部屋の外の世界の情勢がどうだろうと、ひたむきに稽古に打ち込んでいた。

相撲部屋の内の出来事以外は、全て外の世界の出来事。


「お主は?この相撲部屋に入りたいのか?」

「いや、私は、今度新設される奇兵隊に、お前たちを入隊させるために来た。」


応えたのは、長州藩のお抱え力士、長州富士という者だった。


長州富士「奇兵隊?今度、高杉晋作さんが新設するっていうあれか。

それなら、俺と相撲を取って、俺に相撲で勝ったら、入隊してもいいぞ。」

と、冗談交じりに言った。

相撲で勝てるわけないだろう。と、内心思った。

長州富士「はははっ!冗談だ。高杉晋作さんが奇兵隊を結成するには、何かお考えがあってのことだろう。」

「察しが早いな。藩のお抱え力士が、奇兵隊に入ってくれたら心強い。

そうだ!お前たちは、私の直属の部隊として入隊してもらおうか!

隊の名前は、そうだな。相撲部屋の力士だから、力士隊としよう!」


かくして、奇兵隊の部隊の一つとして、

伊藤博文【伊藤俊輔】の率いる力士隊が誕生した。


さてと、それならば話は早い。ちゃんこでも食いながら、これからのことを話すとしよう。


力士隊の奮闘により、幕末の情勢は大きく変化していくことになる。


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