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第1章[表]・対抗戦前々日



月日は流れ勇斗達の入学から早くも2ヶ月と少し

雨が続く梅雨の時期であるこの6月ももう少しすれば終わりである

そしていよいよ明日からはじまるチーム対抗戦に向けてAクラス面々は全員にやる気が漲っていた


「よーしお前達!ついに明後日からお前達が待ちに待った学年別チーム対抗戦がはじまるぞ!」

そう気合いを滾らせて授業後のホームルームでそう告げる理沙

今日は土曜日であり明日の日曜日という休日を挟んでからの月曜日から次の土曜日までの約1週間

この期間で学年別チーム対抗戦はとりおこなわれる

その間に他の授業は一切無し、生徒達は自分達の試合にだけ最低限出場すればいいだけであるのでやる気のない生徒からすればかなり楽な1週間となる

まったくもって羨ましい

まぁそんな生徒は全学年足しても極わずかな者しかおらず、ほぼ例外なく生徒達は全員がやる気を満ち溢れさせているのが現状だろう

理由は知っての通り来年以降のクラス分けへの成績、あるいは卒業後の進路に大きく関係があるから

シンプルに勝てば勝つだけ上ランクの成績が、逆に1回戦などで負けてしまえば最低ランクの成績がつく

ここでこの学校の生徒達の凄いところは例え1回戦でFクラスの生徒達の対戦相手がAクラスであろうと諦めるなんてことはなく逆に更にやる気を出すところだろう

FクラスやEクラスの生徒達は上のクラスの生徒達に魔精力のランクで負けているから、Aクラスに選ばれるような人とは才能が違うからなんていった理由なんかで諦めることは無く、むしろ下克上を起こしてやる腹積もりの生徒達が多く実際に毎年のようにFクラスのチームがAクラスのチームに勝つなどは普通に起きている

とはいえそのほとんどが1学年であり、2年・3年となってくれば下のクラスが上のクラスに勝つのは零ではないがほぼ零に近くなる

それもそのはず

1年のときはクラス分けの基準は主に魔精力だったりするが、2年・3年のときのクラス分けは魔精力のランクだけでなく魔精力の使用による戦闘能力そのものに目が向けられるために実力の上下がハッキリしてくるからだ

つまり下克上を起こして上のクラスに行きたい生徒達にとっては1年目のこの対抗戦が1番大きなチャンスであるというわけである


ここで軽くチーム対抗戦のルール説明を纏めると以下の通りになる

・1チームのメンバーは1人以上5人以下であること

・チームメンバーは全員が特別な事情のない限り行われる試合には参加すること(原則全試合全員参加)

・このチーム対抗戦は学年ごとに別ではあるがクラスによって分けられることはなく6クラスのチーム全てが入り交じったトーナメント戦で行われるということ

・勝敗はチーム全員が戦闘不能やチームとしてのギブアップ宣告、もしくは場外になった時点で決する

・武器は全て殺傷性の限りなく低い模擬戦用の武器を使用、防具に関しては攻撃力のある防具でない限りにおいては制限は特にないが重量制限は有る

・模擬戦用の武器・防具は破損する可能性があるが学校側からの貸出は原則ないので各自準備しておくこと(予備がない場合は武器・防具無しでの参加となる)

・これから学ぶ魔精力の扱い方や魔法に関しては制限は特になくどのレベルの使用法であったとしても自由に使用出来る(ただし超特殊魔法と禁呪魔法は万が一習得していたとしても使用不可)

・契約した精霊の実体化による顕現・憑依は禁止とする

・制限時間は1時間であり時間切れの場合には戦闘可能状態にある生徒の残数によって勝敗を決める

・この対抗戦は約1週間にわたり開催される

・相手の殺害、及びギブアップを宣言した生徒や戦闘不能状態にある生徒へ過度な攻撃を行った生徒はただちに教職員により捕縛、厳格な罰が処される

・対抗戦の結果は成績に大いに反映されるために上のクラスのチームに勝利すればそれだけ良い成績がつき、逆に下のクラスのチームに負けたならばそれなりに悪い成績がつく

・原則不参加は認められないが、開催前に戦闘を行える状態でないorやんどころなき事情があるものは別の課題を課された後不参加を認める

と以上の数点であり4月に説明されたものが少し修正され追加された項目もあるが基本的には変わっていないとみてもいい

ちなみに既にトーナメントの組み合わせは決まってはいるが当日の朝に発表される手筈となっている

そのため事前に対戦相手についての情報収集などは基本的にはすることが出来なかったりする

中には金にものをいわせてある程度各クラスの有力候補を調べたり、独自の能力をふんだんに使用して色々と策をねっている者もいたりするが


そんなわけで明後日からはじまる入学してから初の一大イベント

1学年目の大きなイベントは4つ

ひとつがこの6月に行われる学年別チーム対抗戦

ふたつめが夏休み期間に行われる総合戦闘力強化合宿(別名・魔獣ハンティング)

みっつめが秋に行われる1年のみのタッグマッチ戦によるトーナメント

そして最後によっつめは1年の終わりである3月にソティシアにある教育期間への訪問&交流会である

この4つのイベントにおける成績or評価が基本的に来年のクラス分けへの重要視されるものとなっており、基本的に普段受けている授業ではテストのようなものは行われはするがさほど関係ない

ただしここで関係ないというのはクラス分けについてであって卒業後に戦闘関係以外の職につくことを希望する場合は関係あるといった方が正しくなるので手を抜かずに受けている生徒達が大半である

でも正直いうと中間や期末のテストといった定められた定期テストがないのは喜ばれてたり


そしてそれぞれが想いを募らせているなか理沙は明後日についての説明を行っていく


「明後日は遅刻なんてするなよ?この対抗戦に不参加となるとかなり進級に不利だからな。下手すると2年次への進級試験を待たずして退学なんてのもありえるくらいだ。それに他のチームメンバーにも大きな迷惑がかかるということをよく覚えておけ。戦場では味方の足を引っ張るような約立たずは必要ないからな。あとトーナメントの組み合わせは明後日、月曜日の朝のホームルームにて発表する。そしてその後すぐさま開会式を行ってから3つのアリーナを使用して順次開始していく予定だ。基本的に自分の試合の2〜3試合はちゃんとアリーナ近くで待機しておけよ。一応一試合制限時間は1時間となってはいるが今までに1時間戦い続けたのは準決勝や決勝なんかで実力が拮抗していたときぐらいだ。1回戦なんかになると即刻決着のつく試合なんかもザラにある。のんびりとしていて試合に遅れましたなんてことがないように心がけておけよ。私から言っておくことはこれぐらいだな。それでは明後日から1週間、各自全力を尽くして今回の対抗戦に臨むように!それでは今日はこれで解散とする!」

そう言うと教室から出ていく理沙

理沙が教室から出て行ったのを確認すると生徒達もまばらに席から立ち上がりはじめ、それからチームごとに集まっては教室から出ていく


(やっぱり今日と明日はみんなチームで集まって話し合いや連携の最終確認をするみたいだなぁ。うーんどうしよ、みんなには申し訳ないけどちょっと1人でやってみたいことがあるんだよなぁ)

そんなことを1人考えていた勇斗の耳に優奈からの問いかけが聞こえてくる


「どうする?勇斗。今日も少し話し合いでもする?」

そう言われ声のするほうを見てみると勇斗のチームメンバーである4人が揃っている


「私としてはやれるとこまでやってから試合をしたいのよね。夏菜もそう思うでしょ?」


「うん。わたしもやる気でいっぱいだよ!この2ヶ月の成果をちゃんとだせるかどうか頑張らないと」

そう言う優奈と夏菜はやる気が有り余っていてうずうずしている様子だ

更にこの2人に便乗するかのように夨と明日香も自身の気持ちをつたえる


「俺は今日と明日は特に予定がないから時間なら作れるぜ。それに少しこの昂った気持ちを抑える為にも運動しておきたいしな」


「わたくしも少し気分が高揚してますわ。待ち遠しかった日がついにくるんですもの。とても楽しみです」

と言っているこの2人からもやる気がみてとれる

普段から熱い男である夨はともかく、普段は冷静沈着である明日香からも気分が高まっているのが伝わってくるのだ

4人が4人とも明後日に向けて燃えているのがよく分かる

流石にこの雰囲気で自分だけ別のことをするなんて選択は鈍感な勇斗でもとれなかったらしい


「それじゃあこの後明日香さんの家で最終確認でもしておこうか。作戦や立ち回り方、それに相手を見てからもちゃんと色々考えていかないといけないこともあるからね。明日香さん場所の方は大丈夫?」

そう告げる勇斗だが内心では


(みんなと練習したあとでもあの練習する時間ぐらいは何とかできるはず!最悪寝なくても何とかなるでしょ、気合いで!……そんなわけだから今日もよろしくねアグニス)


『小僧の勤勉さには少々呆れるな…だがこの俺と契約しているんだ、それぐらいやってもらわねば困る。例の練習についてはしっかり教えてやる、その代わり今回の戦い、負けるんじゃないぞ』

とアグニスとこんなやり取りをしているあたり勇斗は勇斗のままで変わらない


そんなわけで勇斗達5人はこの2ヶ月お世話になりっぱなしである明日香の家へとみんなで向かう


(なんとか優勝したいなぁ。…でも優勝しないとアグニスにドヤされそうだからそれ含め意地でも勝たないとね!それにあの人ぐらいの強さを目指すならこんな所でつまづいてちゃいけないんだ!)

そう思い握る手に力を込める勇斗

そしてついに明後日

待ちに待ったチーム対抗戦が幕を開ける






……To be continued

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